ヘミシンクセミナーでも話題となった【空海さん、密教】について、改めて本を読んでみました。-今回は「密教」編-
先日のヘミシンクセミナーでの、お客様のご体験の中で、
空海さん、密教のお話が出てきました。
私自身も、気功のお師匠さんが空海に傾倒されていたこともあり、
その影響下、三密加持などを実践させて頂いたことがあります。
いきなり、空海さんご自身の著作を読んでみたことはあるのですが、
案外、密教という視点で、歴史的な背景や理論などを包括的に
学んだことは無かったかな、とも思い、ちょっと本を読んでみました。
今回は、密教の本ですね。
タイトルもずばり、「密教」です。
空海さんのお話については、また日を改めてご紹介させて頂きたいと思います。
著者の松長有慶氏は、長らく高野山大学に勤められていた方で、
当然ながら真言密教の修業をされていると思われます。
幾つか印象的な箇所をご紹介します。
まずはこの本の冒頭のお話です。
それは、
密教は日本とチベットだけで、生きた宗教として信仰されている、
ということです。
恥ずかしながら、まだ台湾、東南アジアなどには
存在するのではないか、と思っていました・・・
元々はインドで起こったのですが、13世紀頃に滅んだのですね。
日本の密教は、9世紀、空海さんが中国(唐)の長安から
持ち帰ったことから始まったのですが、
その中国でも密教は無くなってしまいました。
貴重な宗教ですね。
ちなみに、日本の密教は、インド中期の密教であり中国を経由しました。
一方で、チベット密教はインド後期の密教の影響を受けており、
ヒンドゥー教の色彩も濃いということで、2つの密教は結構な違いがある、
ということのようですね。
次に、
いきなり本の最後の部分に飛びますが、
密教という、一見、個人主義とも思われるような宗教が、
いかに大乗仏教的に、社会や民衆との関わりを持ったのか、
という点にも言及されており、参考になりました。
空海さんも、世俗で活躍したという面、非俗で修業するという面を
しっかりと両立されていた、と紹介されており、
- 「社会との関わり」と「内面の探求」と言い換えても良いでしょうか -
2面をしっかりと両立しつつ探求する姿勢は、素晴らしいですね。
そして。
この本では、このような歴史面、社会面のお話に加え、
やはり実践の宗教ということで、密教の行についても
可能な限り言及されている点も素晴らしいと思います。
行についてのお話は、次回とさせて頂きます。