「損をしてもいい」と腹を決めるとうまくいく。 -心屋仁之介さんの【どうしても許せない人がいるときに読む本】-
今回は心屋仁之介さんの「仕事・人間関係 どうしても許せない人がいるときに読む本 」について書かせて頂きます。
この本のメインテーマは「許す」ことです。
心屋さん曰く、ある人のことを「許せない」わけを突き詰めていくと、
1.大切なものを奪われた
2.欲しかったものをもらえなかった
に集約されるといいます。
もちろんここでの「もの」とは、物質的なものである「お金」などだけでなく、自分の尊厳(大切にされること)、心や体の安全、相手からの愛情・尊敬など無形のものも指しています。
心屋さんの本「望んでいるものが手に入らない本当の理由」では、「欲しいものが手に入らない」「持っているものを失いたくない」ことが悩みの根源にあるということでしたが、表現や場面(本書では、主に相手が介在する、という場面を想定)こそ違えど、同じことを示しているといって良いと思います。
さて、今回のメインテーマである「許す」とは?
端的にいうと、「(自分が)損してもいい」と腹をくくることです。
また、「相手が〇だ、△だ」など、相手に視点があると、自分のことは棚上げにしてしまい勝ちなので、視点を「相手」から「自分」にずらすことも大切です。
ただ、起こることすべて自分が原因だ(でも、自分が悪いということではありません)、と頭で論理的に考えようとしても、世の中の諸々の事象の中には、どうしてもそのように考えられないこともあることでしょうから、
四の五の言わず「損をしよう」と腹をくくって生きてみようという提言は、なかなかに説得力があるのではないでしょうか。
と言いながらも・・・
「損をしよう」といっても、時には「自分の本音」をさらけ出す場面があっても良いことなど、実生活でバランスを取るための大切な考え方も、本書では示されていたりしますね。
「損をしよう」というスタート地点から、日常の具体的な場面でどのように考え、行動するかも簡潔に書かれているように思います。
「仕事・人間関係 どうしても許せない人がいるときに読む本 」はスラスラと読み進められるのではないかと思います。