河合隼雄さんの「ユング心理学入門」は、ユング心理学の臨床例がよく分かる本ですね。(おすすめ本)

 

昨日の記事では心理臨床とイメージという本を、さらに以前の記事ではユング FOR BEGINNERSと言う本を、ユング関連のおすすめ本として紹介させて頂きました。

 

本日は、

日本でユング研究者と言えば、やはり河合隼雄氏を外せないということで河合氏が書かれたユング心理学入門という本をご紹介させて頂きます。

 

河合隼雄氏は、日本人で初めてスイスにあるユング研究所でユング派分析家の資格を取られ、日本でユング心理学(分析心理学)を普及された方です。ユング派の第一人者と言えるでしょうね。

箱庭療法を初めて日本に紹介された方としても有名です。

 

さて、この本について。

 

以前は培風館から、その名も「ユング心理学入門」という本が出版されており、そちらが著名だったのですが、現在は新刊で手に入らないようです。

この培風館の本の全11章から1,2,10,11章、付録を外して文庫本化したのが、今回紹介させて頂いている本になります。

 

何章か外されたとはいえ、タイプ論、コンプレックス、個人的無意識と普遍的無意識(=集合的無意識)、心象と象徴(イメージ)、夢分析、アニマ・アニムス、自己、と一通りの内容がはいっています。

 

一番上に書かせて頂いたおすすめ本と比べ、この本の特徴は、河合さんの体験された臨床事例(具体例)が豊富なことです。

まあ上記の本は各々200ページ弱で、この本は300ページありますから情報量は違いますよね。

 

特に、夢分析例はなかなか豊富で、夢にも補償、逆補償、展望的なもの、予知夢、反復夢など様々な種類のものがあり、その分析も、夢を見た人自体の現実での体験(意識状態)や連想内容なども踏まえる必要があることなど、臨床経験がご豊富なことが良くわかります。

 

多分、全く初めての方が読んでも分かりやすいとは思いますが、ある程度、体系的にユングのことを知っておいた方が読みやすいかも知れません。

そういった意味では、まずは上記「ユングFOR BEGINNERS」あたりを読んで、最初に全体を俯瞰した後に読まれてもいいかも知れませんね。

 

そしてこの本を読んだ後は。

ユング自身の著作を読むと良いでしょうね。

ユングの著作については、またいつか紹介させて頂きます。

 

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