phaさんの【ひきこもらない】では、無駄の効用のようなものを感じますねぇ。

 

phaさんの最新刊(2017年6月発行)「ひきこもらない」を読みました。

 

気づけば、phaさんの本をほぼ読んでいますねぇ。

パソコンやプログラミングはじめ、趣味や話題があう人々が集うシェアハウスである「ギークハウス(元々は、パソコンやプログラミングに詳しい人をギークと呼んだようですが、広~い意味で趣味や話題があう人ギークと考えているみたいです)」の発起人をされていた頃から「面白いなぁ」と思い、都度刊行される本を読んできたような感じです。

phaさんのプロフィールから「ニート」という言葉がだんだんと無くなっていっているのと呼応してか、本書は何と「ひきこもらない」という、いかにも行動します!外出します!といったタイトルの本となっているのを見て、オヤッと思いました。

 

が、そこはphaさんらしく、基本的にはシェアハウスで仲間、パソコン、インターネット、ネコに囲まれてフラフラと生きていらっしゃいます。

この本では、そんなphaさんの日常で出会う、ちょっとした気づきとか、お金をそれ程使わなくても、楽しみ・気晴らしを見つけながらまったりと生きる術(と言うと少々大袈裟です。日常生活の紹介といった感じです)が書かれています。

それから、私自身案外に誤解していたのですけど、phaさんは一箇所に定住し続けるのが苦手で、結構な頻度で引越ししたり旅に出られているみたいですね。この辺りも踏まえて、「ひきこもらない」というタイトルになっているのでしょうね。

 

さて、本書に書いてあるトピックスには、(全てとは言いませんが・・)共感できる点も多々ありました。

例えば、高速バス・青春18きっぷで旅をするということ。

会社員時代の私だと、「何という効率の悪いことを言ってるの?」と言いそうですけど、意識的に時間のゆとりを持とうとしている今では、その楽しさをよ~く分かりますし、共感できます。

夜行などで移動するのではなく、昼間に途中下車もしくはサービスエリアに立ち寄りながらのんびりと道中を楽しむ旅って、何かを成し遂げる目的志向とは真逆の、「今を楽しむ」という素晴らしい時間の過ごし方だと思います。

また、とくにあてもなくビジネスホテルに泊まってみることの楽しみも、よ~く分かります。何となくワクワクしますよね。

 

そして面白かったのが、「アイデア・エナジーがたまる」という考え方です。

漫画「吼えろペン」でのエピソードらしいのですが、漫画家は、打ち合わせやアイデア出しなどでファミレスなどに行くことが多いのだそうです。

ただ、ず~っと同じ場所で仕事をしていると、その店のアイデア・エナジーを使い尽してしまって枯渇するので、そうなったらアイデア・エナジーがたまった他の店を探すのだそうです。

これも分かる気がします。環境を変えることでアイデアが出ることってよくあります。というか、日常の慣れた環境の中にいると、日常の用事とかあれこれをついつい考え勝ちなので、そんな時に場所・環境を変えるのは、すごく有用だと思います。

phaさんは、ブログ等を書く時、ファミレス、カフェ、ファストフード店、時にはカラオケボックス、電車の中、公園、サウナの休憩室をも使われているみたいですね。ノマドワーカー、モバイルボヘミアンには参考になりそうです。

 

こんな感じで、本書には共感できる点、へぇっと思う点、面白い点が多々あります。

ただ、この本、というより、基本的にphaさんご自身が、職場で他人と強調しながら働くことがつらい、いやそれ以上に人と話すのさえつらいといった感じで、本の中でもそういった言葉が結構出てきます。社会の決まり切った規範、慣習といったものに合わせづらく、生きづらさを感じられているというか・・・

そういった点でこの本は、読む人を選ぶという側面もありますね。

けれども。各コラムからは「一見、無駄なようなものの効用」とか「ちょっとした日常に変化をつけることの楽しみ」を感じられますし、(たとえ全てではないとしても、)共感を感じられる方が多くいらっしゃるのではないかと思います。

ご興味を抱かれた方はぜひ、一読されると良いですよ!

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