原理原則こそを重視する!スティーブン・コヴィー氏の名著【7つの習慣】
最近、スティーブン・コヴィー氏が書かれた名著「7つの習慣」を読みました。
本書は1996年に発刊されており、その当時にも読んでいるので、正確には再読ということなるのですが、、、内容をほとんど覚えていませんので・・・
ほとんど初読といって良いですね。
本書の基本的な考え方は、個性主義(=その場しのぎのテクニック的なもの)に基づくものではなく、人格主義(=原理原則)的なものである、ということです。
個性主義、人格主義という用語、使い方には違和感がありますけど、「普遍的な原理原則を体得し、人格に取り入れていく」という考え方は、正しいと思うし、長い目で見て有用ではないかと思います。
さらに本書の基本的な考え方としては、次のものがあります。
・私たちは物事をあるがままに見ているつもりでも、実はある種のレンズを通して見ている。このレンズこそが、私たちの世界観をつくり出し、私たちのすべての行動を方向づけている。
・大きな改善を望むなら、パラダイム転換=違う解釈で物事を見るようにすることである。
まあ、こういった内容は他の自己啓発書にも書かれているため、お聞きになったことがある方も多いはずですが、
実はこのことって、自己啓発書に限らず、心理学・哲学・宗教でも語られているし、言ってみれば創造性にとっても重要なことだと言えますよね。
まさに原理原則なのだと思います。
そして、パラダイム転換のためには、インサイド・アウト、すなわち自分自身の内面を変えることから始めることが基本で、習慣が私たちの生活に決定的な影響を及ぼしていることを知り、本文にある7つの習慣を身につけることの大切さが語られているのです。
また、7つの習慣は順に、
依存 (言ってみれば 周囲・環境・他者に対して反応している状態)から自立(主体的に自己管理できる状態)へ。
自立から相互依存(社会・相手との関係性の中で、相乗効果を発輝していく)へ。
という体系になっています。
本書には多くの内容がもり込まれているため、とてもすべてはご紹介できませんが、私自身が取り入れてみたいこと・印象的なことを2点だけ書かせて頂きます。
1つ目は、第2、第3の習慣の両方に絡みますが。
自分自身でも一見、緊急(急ぎめ)の用事かなと思ってやってみたけれど、よく考えたらそれ程急ぐこともなかったし、やる必要さえなかったかな、ということが日常で結構あるな、ということです。
本書の表現を借りると「活動の罠」といって、日々の生活の忙しさに追われる中で自分自身を見失い、やってみた後に初めて「何か違うような?」と思うことがあるということなのです。
日々の出来事はとても大切ですが、大局的に物事を見る時間を持つことは大切ですよね。
そして2つ目は、きわめて部分的で、7つの習慣とは直接的に関係ない話です。
それは。
コヴィー氏が第7の習慣の中で語られている「教育」そのものの定義についてです。
日く、自覚を持ち、自分の頭の中のプログラムを客観的に見つめる能力こと教育の定義そのものだということです。
その通りだと思います。
既存のパラダイム、価値観に埋没し切るのではなく、脱中心化し、物事を客観的に見つめること(正確には、より広い視野を持つこと)こそ大切だと思いますから。
本書「7つの習慣」に書かれている、「自立し、社会の中で成功していく」「決意し実行し学んでいくプロセスをくり返していく」という基本骨格は、原理原則をふまえているとはいえ、実用主義的でもあるなあ、とも思います。
社会の中での自己実現に主眼が置かれていると思います。
本書は、事例などが多くもり込まれ、日本語版だと500ページくらいの大著となっています。
もう少しだけ簡潔かつ内容の絞り込みをすれば、350~400ページくらいの読みやすい分量になるのになあ、などとも思わないではありませんが・・・
これら大切な習慣を身につけるための考え方、ツールなどが豊富に書かれているのも確かなので、ご興味をお持ちの方は、ぜひ通読・再読されてみるのはいかがでしょうか。