地域団体、町内会についてスッキリ整理されていますね。-どこまでやるか町内会-
今回は、「“町内会”は義務ですか? ~コミュニティーと自由の実践~」を書かれた紙屋高雪さんによる新刊「どこまでやるか、町内会」のご紹介をさせて頂きます。
ちょうど現在、私も地域の役員をさせて頂いていることから興味を持ち、
先日、上記「町内会は義務ですか?」を手に取ってみたり、紙屋さんのブログを拝見していました。
そしてこの度、「どこまでやるか、町内会」が刊行されたことを知りましたので、続けて手に取ってみました。
今回の本は、より一層、「町内会」というものについての定義がなされ、著者の考え方が明確になっていますね。
私の経験も踏まえながら、ご紹介していきたいと思います。
曰く、町内会とは、
①ある地域の全員が加入する建て前になっている
②その地域を代表する
③住民自身で地域の課題を解決する
という団体です。
その通りですね。
共通した悩みとして
A) 町内会の煩わしさに悩まされている。何とかならないか。
これは、一般住民の方の悩みですね。
一方、活動の当事者からは、
B) 担い手や若い後継者がいない。
という悩みが寄せられたりしています。
はい、たしかに。実感します。
では、何でこのような問題があるのか?
地域によって事情は違ったり、複雑な問題も孕んでいますが、単純化すると次のような実情があります。
・町内会とは、本来公的な団体、強制加入団体ではない。
にも関わらず、
・行政の下請け的な仕事も町内会で行っている。
例えば、ゴミ出しの管理とか防災に関すること、防犯灯の設置などは、当たり前のように町内会でやっています。行政的な仕事をするということは、基本的に全員参加となります。
※地域によっては、「行政区長」を任命し、報酬をもらって行政の仕事をしている場合があります。
・一方で、任意加入団体として地域のコミュニティ意識を育む行事も、町内会で行っています。
例えば、お祭りとか運動会です。
・また、半官半民のような多種多様な地域団体による行事にも町内会が一役買っています。
名前は伏せておきます。
このように、本来は任意団体である町内会が、公的・ボランティア・その中間の仕事を一緒くたに行っているため、
人々が「あ~、やらなくてはならない仕事がいっぱい」「何でこんなことまでやるの?」というイメージを持ってしまう面が多々あるのです。
そんなイメージを払拭するために著者は、
町内会をリストラすること、
すなわち、
・やらなくても良いことは削る、
・行政の下請け的な仕事は程良い妥協点を探ること、
・任意団体(ボランティア団体)として地域コミュニティの意識を育てていく、
という目的を重視することを提唱されています。
特に、上記妥協点は、現実味を帯びていて参考になるな、と思いました。
本書を読み、私自身、地域の役員をしていて共感する点が多々ありましたね。
私自身が特に感じるのは、
・たくさんの地域団体があり、バラバラに行事や打ち合わせをしている。
・中には、目的がはっきりしないもの、効果に疑問があるもの、ダブっているもの、惰性的にやっているものもある。組み合わせたり、削減できるものがありそうだ。
・時に同調圧力、強制力が働き、窮屈に感じる一方で、様々な人と知り合えるのが楽しいとか、行政・地域活動で知らなかったことも多々あり、目新しい。
という良い点も感じます。
過度の負担を強いることなく、何をすれば良いのか明白で、当事者(住民)の側から前向きにやってみたくなる地域活動(現実的には、モチベーションを落とさない活動かも知れません)にしていきたいな、と思いますね。
地域活動に携わってみて格段に忙しくなりましたけど、楽しい面もあることは確かです。