「考えて、知ることが哲学である」ことを知る -池田晶子さんの「14歳からの哲学」-
本日は「考えて、知ることが哲学である」というお話をさせて頂きます。
ということで、本日は池田晶子さんによる「14歳からの哲学 考えるための教科書」を紹介させて頂きます。
2003年出版ですが、10年以上経った今でも書店に並んでいますね。
地元近くでも、大阪でも、博多でも、この本が哲学コーナーにありました。
池田晶子さんによる「哲学におけるテーマ」を目次から抜粋してみましょう。
(A)考える、言葉、自分とは誰か、死をどう考えるか、体の見方、
心はどこにある、他人とは何か
(B)家族、社会、規則、理想と現実、友情と愛情、恋愛と性、
仕事と生活、品格と名誉、本物と偽物、メディアと書物
(C)宇宙と科学、歴史と人類、善悪、自由、宗教、人生の意味、存在の謎
(A) が原理、(B)が現実、(C)が真実について書かれたようで、このようなテーマを考えてみることが「哲学」ということですね。
さて、池田さんは、考えて知ることが哲学であり、過去/現在の哲学者の本を読んで覚えることはあまり必要でない、と言われています。
確かに、単に多くの哲学者の本を読破する、試験の為に記憶する、というのは、あまり意味が無いでしょうね。
とはいえ、上記目次にある項目のどれかが琴線に引っかかるようならば、そのテーマに関する哲学者の本を読んでみれば良いと思います。
その際、西洋哲学史の特徴として積み上げ型となっているため、やはり一通りの哲学を俯瞰的に眺めてみることが必要かな、と思います。
そして、そのうえで「考えてみたら」いいのかな、と思います。
池田さんも、大学頃はかなり哲学書を読まれたようですし、そのような基本があってのことのように思えます。
私の場合、「死について」「哲学と科学(というか、この本では言及されていませんが、科学の限界、形而上学と科学の棲み分けのようなテーマ)」「宗教」あたりを、哲学を介して考えてみたいと思っています。
まあ、遅々とした歩みではありますが、気長に本を読んだり、考えたりしています。
さて、最後に2点書かせて頂きましょう。
・この本の冒頭の「考える」については、3章もあります。
人によっては、くどさや堂々巡りと感じたり、読みにくく思われるかもしれません。
その場合、上記(B)あたりから読み始めてもいいかもしれません。
各章が独立していますから。
・なぜ、私がこの本にたどり着いたかというと。
もちろん、書店でよく見かけるという点が大きかったです。
併せて、別記事で紹介させて頂いた飲茶さん、貫成人教授なども
自著の中でこの本を紹介されている点から惹かれるものがあり、
読んでみました。
哲学ではどのような事を考えるのか?
ということを比較的平易に読むことができる本です。
もちろん、14歳でなく、大人でも読めると思います。
哲学に関してはシリーズ化しています。
よろしければご覧ください。
・最近、哲学ブームなのでしょうね。 -面白い西洋哲学入門書のご紹介-
・哲学史を学ぶ意味を知り、哲学史を概観する -貫成人教授の「哲学マップ」-
・「考えて、知ることが哲学である」 -池田晶子さんの「14歳からの哲学」-
・哲学の入門書であるとともに科学の限界についても言及 -哲学のすすめ-
・【はじめてのインド哲学】 -多種多様なインド哲学の流れを俯瞰する!-
・【はじめてのインド哲学】 -「ブラフマン」と「アートマン」の多様な表現-
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