手塚治虫氏の「奇子」では伝統的な「イエ(家)」がテーマとなっています -Kindle漫画-
本日は、手塚治虫氏の1972~73年頃の作品である「奇子」という漫画について紹介します。
奇子と書いて、あやこ、と読むようですね。
この漫画の舞台は、昭和24年、戦争後の混乱した状況です。
東北地方の大地主「天外家」という伝統的な家「イエ」にまつわるドロドロの愛憎劇です。
天外家を舞台に封建的な家風、家長制度、大家族制、イエの名誉を守るためには何でもやる、ということで波乱万丈、魑魅魍魎の話は進みます。
私も田舎の長男で生まれたので、田舎の封建的なところ、家長制度については、ある程度実感していますが、この漫画での凄まじさは想像を絶します。
イエを守るために、ここまでやりますか?という感じですね。
漫画のタイトルとなっている奇子は、出ずっぱりの主人公と言うよりは天外家の一員であり、イエの名誉のための犠牲者といったところです。
こちらの漫画も読んでいて「重い」です。
アマゾンの書評などでも「この作品は好きじゃない」という感想もあります。
そしてこの漫画では、多少の誇張はあるかもしれません。
ただ。
多少の誇張面はあるかもしれませんが、書いてある内容にある程度の傾向は残っているはずです。
伝統的な「イエ」とは?名家とは?封建的ということは?
戦後いかに混乱していたか? などについて知る格好の材料になると思います。
純文学で扱うテーマというか、所謂、劇画というジャンルになるのでしょうか。
全3冊しかありませんが、読みごたえは十分だと思います。
重いテーマですが、一読の価値はあると思います。
エンターテイメントではなく、社会派漫画ですのでその点をご承知置きください。
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