【目次】
なお、各コラムの下に「より詳細なブログ記事」へのリンクを付けています。よろしければご覧ください。
-社会学系の本-
【自由からの逃走】
中世社会が崩壊し、急速に自由化、民主化が進んだ、20世紀初頭のヨーロッパ。
政治的・経済的・精神的な束縛から解放された人々は、自由を得ると同時に、自由の重み(孤独感・無力感)を感じることとなり、そこから逃れるため、新しい束縛を求めるようになったのです。
ただし、これは「消極的自由」です。私たちが目指したいのは「積極的自由」なのです。
【監獄の誕生】
人を従わせるためには、いわゆる「身体的な苦痛を与える=身体的な処罰をする」ことが考えられますが・・・
現代社会では「仕組みそのもの」を構築することで、社会や人々の内面から「規律が生まれる仕掛け」に溢れていることに気づきます。
興味を抱かれた方は、ぜひ「パノプティコン(一望監視施設)」について調べて見られると良いと思います。
【服従の心理】
いかにも権威がありそうな人が威厳たっぷりに発言すると、人々は内心の葛藤を抱えながらも服従してしまうことがあることが実験により示されています。
本書では、さらに実験条件を変えてみることで「どの程度結果が変わってくるか」までが示されており、とても興味深いです。また、実験倫理について忘れてはならないことも気づけます。
【マクドナルド化した社会】
マクドナルド化とは?
効率化され画一化され合理化された「現代社会」を示す、社会学者のジョージ・リッツァ氏が提唱したことばです。
別に、マクドナルドだけがそうなのではありません。現代社会のあらゆるところに合理化・効率化・スピード化の波が押し寄せていることに気づくと同時に、自身の生活のテンポを緩めてみようと思いました。
【予言がはずれるとき】
「自身の行動、言動」と「心の中」に乖離がある時、人はどういった行動を取るのか?
本書では、ある予言者の集団に入り込み、予言が外れたときの人々の興味深い行動について、臨場感たっぷりに語られています。心理学の「認知的不協和」の元となったエピソードです。
「信念」が誤りだったと気づくとき、人はどんな行動をとるのか? 「認知的不協和」の考察が興味深い。【予言がはずれるとき】はおすすめですよ!
【カリスマ】
現代社会でもしばしば使われる用語「カリスマ」とは?
元々「神の賜物」の意だそうで、英雄、預言者、教祖などに見られる超個人的・非日常的な資質や能力のことを言います。
私たち人間には、「自我の限界を超えよう」という根源的・普遍的な欲望があると言います。その最たる(極端な)状態が、「カリスマ集団への溶解」であり、これは第二次世界大戦時やカルト教団など、歴史的に何度も出現している事実です。
そして、このカリスマ現象は、程度の差こそあれ、現代社会でも見られるのです。
【孤独な群衆】
デイヴィッド・リースマン氏の、古典的・定番的な社会学の本です。
基本的にはアメリカの高度成長前(潜在期)、高度成長期(人口成長期)、初期的人口減退期と、社会的性格(集団の中で共通的に見られる性格)との関係を考察しています。
本書で取り上げられている伝統指向・内部指向・他人指向的性格は、第一次・二次・三次産業的社会的性格と考えてみると、イメージしやすいと思います。
日本にも、よ~く当てはまっています。
「伝統・内部・他人指向」の社会的性格の区別は【1次・2次・3次産業】での切り口で眺めると分かりやすい。-リースマン著【孤独な群衆】より-
【大衆の反逆】
スペインの思想家オルテガにより1930年に刊行された本です。
今から90年も前の本ですが、その頃もうすでに「大衆」が社会の中心となっていることに少々驚きました。オルテガは「大衆」について様々な定義を試みていますが、その中で一つご紹介すると「大衆とは、自分が《みんなと同じ》だと感ずることに、いっこうに苦痛を覚えず、他人と自分が同一であると感じて、かえっていい気持になる、そのような人々全部である。」とあります。いやはや辛辣です。
反知性主義、アノミーなど現代社会のテーマが、既に90年前に語られていることに驚嘆する、オルテガの「大衆の反逆」はおすすめです!
【憲法原論】
碩学の小室直樹氏の著書です。とにかく、その広い見識に驚きます。【憲法】とのタイトルが付いていますが、現代社会を形成してきた歴史、社会、政治、経済などに深く広く触れられています。小室直樹氏の他の著書「中国原論」「イスラム原論」「宗教原論」などもおすすめです。
必ずや、新しい視点に出会えると思います。
放送大学【社会心理学】
放送大学のテキスト「社会心理学」です。
本書は、「社会心理学の本の紹介書」と言えます。全部で13冊の本が紹介されており、概略を読んで興味を持った本に目を通してみると良いと思います。
-経済学系の本-
【それをお金で買いますか】
NHKの「白熱教室」でお馴染みのマイケル・サンデル教授による本ですね。
現代社会を席巻している「市場勝利主義」とは、あらゆるものをお金で換算し、市場で取引きしようとの考え方です。そこには、モラルとの軋轢があります。「市場で取引きすべきではないもの」があるはずです。
【資本主義を超えてー新時代を拓く進歩的活用理論(プラウト)】
「私たち個人は、自由にお金儲けすれば良い。マクロ的には”市場の見えざる手”により、うまく全体のバランスを取ってくれる」との資本主義の原理がありますが・・・実際は貧富の差が広がる一方だったりします。
そのような経済とは一線を画した社会:プラウトが提唱されています。
-ライフスタイル系の本-
【モモ】
ドイツのミヒャエル・エンデ氏による物語です。ローマを彷彿させる円形劇場に住み着いた少女モモが、私たちにとって大切な「ゆとりの時間」について気づかせてくれます。
【エンデの遺言】
私たちの社会を支配しているとも言える「マネー(お金)」。本書では、私たちのマネーに対する認識を根源から覆す問いが投げかけられています。文中で語られているシルビオ・ゲゼルの「時とともに減価するお金」との概念は、目から鱗の思いでした。地域通貨に興味がある方は必見です。
【年収6割でも週休4日という生き方】
株式会社アシストの会長を務められているビル・トッテン氏の著作です。収入が6割程度となっても幸せに暮らしていける「ライフスタイル」を提唱されています。
「消費中毒を改める」「自分でできることはできるだけ自分でする」などの提言と、トッテン氏ご自身による実践例が参考になりました。
【しないことリスト】
自称「ニート」のPha(ふぁー)さんによる著書です。私たちって、常に何かをやっておかなければ気が済まないようなところがありますが、よ~く考えてみると「本当はしなくても良いことが多々あるのではないか?」と気づかせて頂けたように思います。
Phaさんの他の著書「持たない幸福論」も興味深い本です。
【月3万円ビジネス 100の実例】
電気を使わない冷蔵庫など、数々の非電化製品などの発明を行っている「非電化工房」を主宰されている藤村靖之氏による著書です。
「月3万円程度のスモールビジネス」が100個も紹介されており、中には自分でも始められそうなビジネスがあるように思いました。