社会心理学の概説とおすすめの本についてご紹介します。 -心理学を体系的に学びましょう!-

今回は、心理学の中の一分野、社会心理学について書かせて頂きます。

社会心理学とは、ひと言でいうと、我々が生きていく「社会」と「心」の仕組みを明らかにしようとする学問です。

社会心理学の定義として、よくゴードン・オルポートの説が紹介されるのですが、それは次の通りです。

他者が実際に存在したり、想像の中で存在したり、あるいは存在することがほのめかされることによって、個々人の思考、感情、および行動がどのような影響を受けるかを説明しようとする学問(放送大学教材「社会心理学」P.14参照)

前半部分が少しわかりにくいですが、要するに、実際に目の前に存在する他者はもちろん、「頭の中で他者のことを想像したり」「他者に見られているかも知れないと思うこと」も研究対象となるのです。想像したり、思うことでも、他者から影響を受けるからです。

また、「社会」と付くけれど、扱うのは「個人の心」であることもポイントです。

※社会心理学にも、社会学に近い、集団に重きを置いた「社会構造や社会的変化」などの把握・分析を行う領域もあります。社会学的社会心理学という言い方ができるでしょうか。心理社会学という表現もみたことがあります。こちらも興味深いですね。

さて、社会心理学では、具体的にはどのような領域を扱うのでしょうか?

・私たちは、どうして他者に対して偏見を持つのだろうか。

・どのような時に、他者からの説得を容易に受け入れたり、時には騙されたりするのだろうか。

・私たちは、しばしば辛い胸の内を親しい人に打ち明けることがあるが、それにはどのような心理的効用があるのだろうか。

・なぜ私たちは、仲間や集団を作るのだろうか。

・なぜ、私たちは、他人と比べようとするのか。

・なぜ、私たちは不安な時、誰かと一緒にいたいのか。

これらのトピックスを通じて、我々は意外なほどに社会的状況からの影響を受けていることを実感できると思います。

面白そうだと思いませんか?

さて、さらに今回は、このように多様な分野を扱う社会心理学について、13冊もの関連書籍を紹介しながら、社会心理学の様々なトピックスに触れることができる興味深い本社会心理学 (放送大学)を紹介させて頂きます。

この本は、社会心理学のすべての領域を網羅しているわけではありませんが、入門的な位置付けであって内容が分かりやすいし、紹介されている書籍にロバート・チャルディーニの「影響力の武器」など一般向けの本が中心で、興味深いです。

本の中の「目次」を参照してみましょう。

・社会心理学とは何か
・服従の心理
・冷淡な傍観者
・予言がはずれるとき
・影響力の武器
・偏見の心理
・スヌープ!
・後悔を好機に変える
・自分を知り、自分を変える
・それでも人は、楽天的な方がいい
・オープニングアップ
・木を見る西洋人、森を見る東洋人
・信頼の構造
・インターネットにおける行動と心理
・これからの社会心理学

盛りだくさんでしょう?

この本の中で、まずは紹介される各々の本の概観を把握し、興味を持って深めたいならば紹介されている本を読めばよいという、(古い例えですが)一粒で二度おいしい本だと思います。

私も、この中から6冊読みました。

機会があれば、またいつか、それらについてご紹介させて頂きます。

 

☆社会学、心理学、哲学/宗教学、ライフスタイル系などの「おすすめ本」についてまとめています。よろしければご覧ください。

【目からウロコ】おすすめ本

 

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