自己啓発に600万円を費やして学んだ貴重な経験が本になった。【「自己啓発」は私を啓発しない】
入社した会社で、上司との人間関係に悩んだことがきっかけに、
何と、600万円以上を自己啓発に費やした齊藤 正明さんによる「「自己啓発」は私を啓発しない」という本があります。
どんな内容かと言うと。
一人の上司により、地獄のような雰囲気になってしまっていた職場に配属された著者は、生来の気の弱さもあって、上司の恰好の標的となってしまいます。
毎日罵倒されるツラい毎日に、
そんな状態から抜け出したいと、自己啓発セミナー・教材などにハマっていきます。
中には当然、素晴らしい自己啓発セミナー・教材もあるのでしょうが、著者の印象に残っているのはツラい思い出なんでしょうね、あるいは本の題材になりやすいという面もあるのでしょうね、
とんでもなく高額の記憶力増強用テープとか、超体育会系のセミナー、など、強烈な体験が多く語られています。
本書を読んで、まず私が興味を抱いたのは、問題があると言えそうなセミナー・教材などの勧誘パターンです。
例えば。
・高価な教材を買わせるときに使われることば「成功者の決断力の卓越性」の話とか、ローンを組むことに巧みに導く手法。
・初級・中級・上級に行くに連れて、徐々に高額となり、さらには新たな顧客の勧誘がノルマ化する、という手法。
これらは結構有名な方法だとは言え、たいへんに臨場感を持って語られているため、よく内容が分かります。
さて、さらに本書を読み進めていくと。。。
前述の上司との関係により体調が悪化した著者は、転職を検討し始めます。
そこでも様々なセミナーに出席されるのですけど、その中で、転職にこだわらなくても、独立という選択肢もあるということに気付かれます。
そしてそこでも、起業セミナーに参加されていますね。セミナー参加がクセのような感じになっていますね。
紆余曲折の末、起業された著者は、今はセミナーに参加されていないようです。ご自身がセミナーを開催される立場になられ、時間がないというのも大きな要因のようですね。
それから。
本書最後の「自己啓発から教わることはない」という章は、ちょっと誤解を招きやすい表現かも知れません。
その要旨は、「教えてもらおう」「変えてもらおう」と受動的に講義を聞きに行くのではなく、「学び取ってやろう」という主体性が必要だということです。
その通りでしょうね。
そして、実際の生活の場面やビジネスの現場で学んでいくことこそ、大切なのでしょうね。
実際、著者が一番学べたのは、マグロ漁船に乗った時、船長さんなどから学ばれたことだと言われます。
私自身も、実際の生活で犯した失敗だとか、大きなプロジェクトでの経験、チャレンジしたことなどが記憶に残っていますし、自身の糧になったなぁと実感しています。
まとめると、
セミナーに参加すること自体は、為になることが多く、大いに有益だと思いますが、同時に、自分の中で咀嚼する、実践的に考える、継続することこそ大切だなぁなどと思います。
そして、危険なセミナーなどについての知識も持っていた方が良いのでしょうね。
なるほど、と考えさせて頂けました。