80年前に発行された本【君たちはどう生きるか】が今、売れ続けていますね。
最近、本屋を巡ってみると、眼鏡をかけた男の子のイラストが描かれた本をよく見かけませんか?
その本の題名は、「君たちはどう生きるか」。
よく見ると、漫画版と単行本(文体)の2種類あります。
本の帯には、80年前の名著だとか、90万部突破(漫画版)などと書かれていたリ、池上彰さんや糸井重里さんの推薦文なども書かれています。
何なんだろう?
気になって本書を紐解いてみました。
私の場合、単行本を先に、漫画版を後に読んでみました。
もうかなりの方が読まれているようなので、背景やあらすじについて、ごく簡単に書かせて頂くと。。。
本書の著者は、児童文学者で雑誌「世界」の編集長であった吉野源三郎氏。
単行本の方は、何と、1937年の発行です。帯に書かれた通り、初版発行後ちょうど80年経っていますね。
本書の主人公は、コペルくん。もちろんこれはニックネームで、本名は本田潤一くんです。コペルニクスから付けられたニックネームです。
旧制中学の2年生で15歳です。
少し前に父親が亡くなりましたが、家にはお手伝いさんがいるようで、結構裕福な家庭なのでしょうね。
同級生にも裕福な家庭が多いみたいで、遊びに行くとナイフ・フォークを使う料理(多分、当時はそれほど多く無かったのではないでしょうか)がもてなされたり、スキーや映画などの話題が出てくるような感じです。
とは言え、裕福な家庭以外にも、様々の環境の家庭が登場します。
本書の登場人物は、コペルくんのお母さん、おじさん(お母さんの弟)、中学校の友人、先輩、その家族などです。
本書はまあ言ってみれば、日常の学校生活の様子が描かれているわけですが・・・
そこには、いじめ、格差の話題があったり、コペルくんが気付いた科学的なものの見方だとか、歴史の話など、何かを考えるきっかけになる話が盛り込まれています。
たしか、鈴木健二さんの本だったでしょうか、
旧制中学・旧制高校生の必読書として、阿部次郎氏の「三太郎の日記」、三木清氏の「人生論ノート」などがあったと書かれていたような記憶がありますが、
多分この本もその中の一冊だったのでしょうね。
戦中・戦後は、教養書というか、哲学書というか、「これから生きていく人生を自ら考えていこう」というような主題の書物が、よく読まれていたようですね。
それに、本書にも登場するおじさんのような、メンター的な大人=子供たちを見守り導くような大人が身近にいたのでしょうね。
う~ん、ある意味、羨ましい時代ではありますね。
それから。
漫画と単行本の両方を読んでみての感想ですが。
ストーリーの小さな部分だとか登場人物が、ちょくちょく違いますよ。
漫画だと盛り込める情報量がどうしても少なくなりますので、漫画の方がシンプルなストーリー構成になっているように思います。
漫画の方が90万部くらい売れており、単行本の方も20万部くらい売れているようですね。
結構な出版数の差があるとは言え、単行本の方も結構売れており、それだけ内容も濃いと思います。
ぜひ、両方読んでみられると良いと思います!