原始仏教の教えの「シンプルなまとめ」とよく分からない点について 《原始仏教・原始仏典について》

 

原始仏典は膨大な量があります。

それゆえ、読めば読むほど様々な出来事、考えなどに出会い、分からない点が次から次へと出てくるなぁというのが正直なところです。

とは言え、一番の土台となる部分=原始仏教の教えの根本はほとんどの経典にしっかりと書かれていると思います。

今回は自分自身の頭で整理するためにも、原始仏典に書かれている教えについてシンプルな形にまとめてみると同時に、大きな不明点について書かせて頂こうと思います。

 

まずは原始仏典の教えについて

 

苦に関する教え「四聖諦」が基本になります。

四聖諦とは、

・人生は「苦」である。

 

(生まれることが、その後の苦につながるからです)老病死、憂い・悲しみ・苦痛・悶えなどの苦があり、またそれらが無くなるように求めてもかなわないという苦(求不得苦)などがあります。大きく言うと、個人存在を構成する五つの執着要素(五取蘊)そのもの(=私たち)が苦しみです。

 

・「苦」には原因がある。

 

それは、私たちを再び迷いの生存に戻す原因です。それは愛執です。

現世の欲望に対する愛執、生存への愛執、生存の消滅への愛執などです。

 

・「苦」は消滅できる。
・「苦」の消滅にいたる道がある。

 

苦を消滅するための道が「八聖道」です。

八聖道とは、

【正しい見解】

苦について知ることです。(四聖諦そのものとも言えるので、論理が循環しているような気がしますが・・・まあ良しとしましょう)

【正しい思考・ことば・行動・生活・努力】

小・中・大の戒などで言及されています。怒りの無い思考、偽り・中傷・粗暴なことばなどから離れること、生き物を殺す・与えられないものを取る・みだらな行いから離れることに努め、正しい生活をしていくことです。

【正しい念】

身体・感受・こころ・もろもろの事象について観察し、正しく自覚し、よく気をつけて、この世における貪欲や憂いを除去することです(四念処)

【正しい精神統一(定)】

集中系の瞑想です。第一、二、三、四段階あります。第四段階では、苦しみもなく楽しみもなく、心の平静と気をつけることによって浄められている段階です。

第四の瞑想状態で無我、宿住通、死生智などを理解洞察し、煩悩を滅する智(漏尽智)を理解洞察します。漏尽智にいたり解脱を認識します。

 

以上が、原始仏教の教えのシンプルなまとめです。

四無量心(慈悲喜捨)など、触れることができていない点も多々ありますが、ご容赦ください。

 

さて、私自身、このような感じで原始仏典を理解しているとは言え、大きな「分からない点」が2点あります。

 

(現時点で)分からない点について

 

それは、テーラワーダ仏教の国々で盛んに行われているヴィパッサナー瞑想の位置付けについてです。

八聖道では、正定正念同位置に位置付けられている様に見えます。が、今日のテーラワーダ仏教では「正念」の修行法であるヴィパッサナー瞑想こそブッダが悟った瞑想であるとして、より重んじているように感じます。

要するに、ヴィパッサナー瞑想は「正念」の一つとして位置付けられているのか、それとも、大念処経で書かれているように「ニッバーナ実現のためのただ一つの点(一方向だけの道とも訳せるようですが・・)が四念処(四種の心の専注=ヴィパッサナー的な、身体・感受・心・もろもろの事象の観察)である」と書かれているように、ヴィパッサナー瞑想こそを最重要視しているのかが、よくわからないのです。

大念処経の構成に矛盾的なものを感じるのです。すなわち、四念処が八聖道の一つのように書かれているようにも見えるし、ニッバーナ実現のただ一つの道とも書かれているように見えます。私には。。。

さらには、出家直後のブッダが、「無所有処定」「非想非非想処定」などの禅定を学んでも悟れなかったという話から、正定より正念の方が重要だと思われているのかと思ったりもしますし・・・

 

この不明点に関しては、先日のヘミシンク・セミナーでも話題となりました。

結果、私が読んでいた中村元博士の原始仏典に加えて、テーラワーダ仏教を実践されている人:スマナサーラ長老などのご本を拝読したり、テーラワーダ系の実践者と話してみることで新たな視野が広がるのではないか、という話に至りました。

現時点の不明点は不明点として、今回一旦まとめさせて頂くとして、新たな視野が広がった際に、また新たにまとめたいと思います。

以上です。

 

★☆★☆★ 原始仏典を読んだり、原始仏教系(マインドフルネス、瞑想など)の体験をブログにまとめています。よろしければこちらのリンク(原始仏教へのタグ)をご覧ください。 ☆★☆★☆

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA