著者が体験した町内会の状況・見解に共感を覚えます。-町内会は義務ですか?-
私はもう数十年、田舎の「地域」という閉鎖的な共同体の中で、生活してきました。
こうしてサラッと書いていますが、そこには多くの葛藤、閉塞感、楽しさがありました。
時代の流れ、私の環境が変化したこと(=自営業となりました)により、それら葛藤なども薄まってきており、ここ数年はかなり普通のこととして、地域での生活を行えるようになっていきましたが。。。
そのような折、今年度、持ち回りで地域の役員という煩雑な役割を仰せつかることになったのです・・・
地域の役員といっても、規模は70軒くらいですし、1年間の任期で持ち回りしています。
それでも、慣れないことがあったり、納得し難いことなどもあったりします。
よく、「これって何でやらなくてはならないんだろ?」「そんな風に考えるのって、自分が正しくないのか?」などと思うようなこともあります。
以前の葛藤がよみがえっているのかも知れませんね。
まあ、こんな感じの長~い前置きとなりましたけど、そんな折、以前本屋でたまたま見て興味を覚えていた「“町内会”は義務ですか? ~コミュニティーと自由の実践~」を紐解いてみました。
著者の紙屋さんは団地住まい。
配偶者が主たる家計支持者で、ご自身は9時5時の就業形態をとり、家事、町内会活動を引き受けていらっしゃいます。
紙屋さんは、ひょんなことから町内会長となりました。
詳細は省きますが、紙屋さんの町内会より大きな単位(上位)の「校区」との軋轢に相当な苦労(心労?)をされています。
紆余曲折の末、紙屋さんは町内会をいったん休会し、ゆる~い新自治会を立ち上げられたのです。
様々な事例、書籍などを研究された末、会費なし、加入なし、義務なし、手当なしのボランティア的な「ミニマム町内会」を立ち上げられたのです。
プラスアルファという位置付けの町内会ということですね。
結果を書くとこういった感じですが、本書の肝は何といっても、著者の貴重な体験、町内会の位置付け、行政との関係、様々な参考文献など著者の様々な調査からの見解・知見などにあります。
本書で取り上げられている資料をぜひ読んでみたいと思いました。
また、町内会に限らず、組織・コミュニティについて考えてみる良い機会になりました。
さて、元に戻ります。
私の地域の状況も踏まえると、地域活動においては、
・同調圧力:各自の置かれた環境が違うにも関わらず、同一行動を強要される。
・必要なこともあるけれど、ムダではないか、非効率ではないかと思われることも結構ある。
といった点は共通の悩みではないかと思います。
根が深い問題なので、本書を読んで一気にすべて解決などとはなりませんが・・・
ずっと地域活動に感じているモヤモヤ感を整理してくれるかも知れませんよ。