書くことの達人2人「池上彰氏と竹内政明氏」が語り合う! -書く力-
テレビでの分かりやすい解説や、分かりやすい本に定評がある池上彰氏と、読売新聞で編集手帳を担当されている竹内政明氏という、
当代きっての名文家のお2人による対談が、1冊の本となりました。
その名も「書く力 私たちはこうして文章を磨いた」です。
本書は対談本ということもあり、本の構成を説明させて頂くよりは、印象的な内容、参考になった内容についてピックアップした方が良さそうです。
まあ、全部列挙するのはどうかと思いますので、3点程度ご紹介させて頂きます。
それでは、始めます。
読んでいて「あまり面白くないな」と感じてしまう文章は、ほとんどの場合、厳しい言い方のようですが、
構成に工夫が足りないとか、表現力が足りないという以前に、
作者自身が「自分はこれから何を書くか」をはっきりとわかっていない。
ドキッとしました。
本ブログでは「何を書きたいか」は決めているつもりですけど、曖昧になっていたリ、主張が複数重なって論点がわかりにくい場合があるなぁ、と思っていたので・・・
また、
「身の回りのこと」というのは、「自分にしか書けないもの」であって、それはかなりの高確率で魅力的な情報になり得る
とも言われていますね。
確かに、ふと身近で起きた雑感のようなことを書いて、思わぬ反響があって驚いたことがありました。
同じく池上さんの言葉として、文章を作る際、
とりあえず書きたい内容を思いつく限り、メモとして原稿に書いておく。
そして、その要素の順番を「ああでもない、こうでもない」と入れ替えることで、原稿が作れればいいんです。
そのときのコツとしては、「全部を使わなくてもいい」と思うことだと思います。(中略)うまくつながらないと思えば、それは使わなければいいわけです。
自分で「良いな」と思った文を捨てるのは、結構勇気が要りますよね。
さらには、竹内氏は、
頭から書き始めて、そのまま書き終えたものが、人様に読んでもらえるような文章になっているなんてことは、期待してはいけません。
何度も何度も、「こっちの文を先に持ってきたほうがいいか、いや、やっぱり後回しか」と切り貼りを重ねることで、なんとか「読める文章」になっていきます。
と言われています。
私などは、パッと書いてみると、文頭と文末の辻褄が合わなかったり、冗長だったり、主語と述語がはっきりしないなど、修正したいことのオンパレードです。
このような名文家の方でも何度も推敲されているという事実は、心強いですね。
推敲するためには、「名文」をいろいろと読んでみることで、自分自身の中にリズムとして刻み込んでおくことも大切でしょうね。(このことも言及されています)
さて、本書内では、これ以外の「文のテーマと自分をつなぐブリッジ(架け橋)の見つけ方」「伝わる表現」などにも話題が及んでいますが、
やはり最も大切な基本は、本書内でも書かれている通り、
文章というのは、自分がわかっていることを、わかっている文章で書くことだ、
ということだと思います。
いや~、その通りでしょうね。
自分自身を振り返ってみても、自身の中でもう一つわかっていない時や、頭の中が整理し切れていないなあという時は、読み返しても「まとまっていないなあ」と思うことがよくありますので。。。
大体、以上ですね。
本書は対談本なので、比較的気楽に、でも参考になるなあ、取り入れてみたいなあ、という内容が結構ありますので、
「書くこと」をされている方は、一読されてみるのはいかがでしょうか?