会社員時代に染みついた「3つの症候群」を取り除くのに、3年はかかりました、というお話です。
会社員を辞めて5年経ち、すっかりと生活の様相、ペースが変わりました。
今回は、会社員時代と最近の生活を振り返ってみて、「会社員時代の自分がしっかりと染まっており、なかなか外れることが無かった信念(=症候群と呼びましょう)」について書かせて頂きます。
会社員時代に染み付いていたもの。
それは。
・未来志向症候群(成長志向症候群)
・時間をお金で買う:症候群
・何かをしなくては!症候群
の3つです。
以下、詳しく書かせて頂きたいと思います。
1.未来志向症候群(成長志向症候群)
会社員時代は、予算を組んだり、売り上げ目標を定めるなど、常に未来を見る仕事、成長を志向する仕事をしていました。
一般的に言っても、会社員、ひいては社会人であることは、常に未来を見つめること、成長を志向することといっても大げさではないかも知れません。
また、社会人という括りだけではなく、家へ帰っても(プライベートでも)、何年後には○○を達成したい、そのためには今△△を達成する、○月○日には予定を入れる、など「常に」スケジュールを組んで、未来を見て生きていたように思います。
常にそんな感じだったのですから、「○○になる、症候群」だったと言えるかもしれませんね。
現代社会で生活することは、目的志向、未来志向、成長志向が必要なことばかりです。
ちなみに、過去を振り返る、反省するという事も結構あったのですが・・・
過去を振り返るのは「未来に生かすため」「成長するため」という側面が強く、総じると未来志向だったのかなと思います。それで、未来志向症候群と称しているのです。
もちろん、大きくライフスタイルを変えた今でも、未来・過去を見つめることはあり、今を生き切れているとは言えないと思います。まあ、常に、今を生き切るということは、悟りの世界そのものでしょうから、なかなかに大変なことでしょうが。。。
現在は、かなり未来志向から脱して、今に焦点が当たりつつあるな、とは思います。
徹底的に「今」を生きるくらいの心構えでも、どうしても未来・過去を見てしまいます。長年染み付いた習慣ですから。
徹底的に「今」を生きる、くらいの心構えで、ようやくある程度「今」に気持ちが向くくらいではないでしょうかね。
2.時間をお金で買う:症候群
効率主義の権化とも言えますね。
会社員時代は、お金より時間が貴重だというくらいの価値観で生きていたと思います。
「何と贅沢な!」と思われるかもしれません。
でも。
会社での仕事が忙しくなればなるほど、時間の希少性が高かったのは確かですね。
例えば、書籍を買う場合など、本屋で見つけた時に即買わないと後で売り切れていて買えないかもしれない、見つけた時に買う、「一期一会」の感覚で本を購入していたように思います。
また、たかだか広島県内を移動する場合でも、時間を優先し、新幹線を使う、高速道路を使う、などの状況でした。1日を有効に使うために、移動なんかに時間をかけていられないといったところでした。
私自身振り返って、このような感覚が強かったなぁ、と思います。
恐らく、ですが、このことは多くの会社員の方に当てはまるのではないでしょうか?
勤務時間内は当然のこと、たまにしかない休日でもできるだけ効率的に、効果的に行動するという考え方ですね。
3.何かをしなくては!症候群
会社員時代は、月~金曜日の朝から夜までの勤務、そしてときには休日出勤をしていました。
「ほとんど会社が全て」という生活をしていましたし、価値観、視野も会社が基準となっていたように思います。会社と同一化していた状態と言えますね。
そのせいでしょうか、せっかくの休日になると、ずっと家に籠っていることは考えられず、とにかく外に出て何かをしないと落ち着かないこともよくありました。ふと時間が空いたり、余暇の目標がないと、不安に思うことさえありました。
半ば強迫観念的に「何かをしなくちゃ」と感じていたように思います。
予定が埋まらないと落ち着かない、どんなことであっても何かを達成しないと一日を無駄に過ごしたように感じていました。
まあ、いつもそうだということではなく・・・
自分自身ではそのような状況に薄々と気付いており、意識的にまったりとした一日を過ごそうとしたこともありました。
結果、ある程度はゆったり・まったりできることもありましたが、根底では常に「何かをしなくては!」という感覚があったように思います。
さて、まとめます。
これら3つのことは、会社員生活を辞めて3年を過ぎて、ようやく客観的に見えてきました。3年経ってようやく、です。
自分自身を「相対化」し「脱中心化」できること、時間に追い立てられない生活をすること、自分自身を振り返る時間を持つことがとても大切だなぁ、と実感することが多い、今日この頃です。