まんが編集部の日常が感動的に描かれる!【重版出来!】 -おすすめの漫画-

 

重版出来(じゅうばんしゅったい)とは?

 

一度出版した書籍を、再度印刷し販売すること。

要するに「売れる」ことです。

出版業界の全員が幸せになる言葉です。

 

この作品「重版出来!」は、漫画雑誌の編集部の新米記者:黒沢心が主人公です。

彼女は柔道でオリンピック強化選手にもなったバリバリの体育会系で、小熊と呼ばれたりしています。

そしてこの漫画では、黒沢さんを取り巻く編集部の上司・同僚、他部署の人々、漫画家、アシスタント、製版業者、本屋さんなどとの数々のエピソードが綴られているのです。

 

この漫画では、登場人物のキャラがしっかりと際立っており、個々人が抱える背景・物語、悩みなどがしっかりと描かれています。

「漫画編集部の日常」という、一見、ストーリー展開するのが難しそうな舞台設定ですが・・・ いや、そのような身近な環境だからこそかも知れません、

登場人物の心境、大切にしたいことなどが臨場感・親近感をもって表されており、グイグイと読み進められます。

 

作者である松田さんは、アシスタント生活を7年されていたということで、漫画のアイデア出し、原稿作成、製本、本屋さんに並べ宣伝をして販売するという、漫画業界の仕事の流れが見事に、詳しく描かれていることも、この作品の良さに一役買っているように思います。

 

さて、私がこの漫画で好きなシーンは、

時に突っ走ってしまう黒沢さんが上司と食事をとっているシーンです。

上司から、仕事を進めるにあたっての大切なヒントを受け、黒沢さんが時々壁にぶつかりながらも進んで行くのです。

そこで語られている内容は多岐に渡るので、一言では語り尽せませんが・・・一つだけ挙げさせて頂きます。トピックスではなく、語られているテーマです。

我々が普段陥り勝ちな話なのですが、それは、

人を表面的・皮相的に見て、その人の「人となり」を判断するのではなく、背景にある物語や抱えているものをしっかりと見据えることの大切さです。

漫画でも、黒沢さんはじめ多くの人が先入観的に思い込んでいたことを、食事中の会話などで思いを新たにする、思いなおす、リセットする、そしてもう一度その人と向き合う、というシーンが結構ありました。

まあ、こんな感じです。

舞台設定は「編集部の日常」なのですが、語られている内容は深く感動的な、この「重版出来!」を読んでみられてはいかがでしょうか!

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