これまでご紹介していない中にも・・・ 精神科医:岡田尊司氏の病名・症状そのものがタイトルとなっている様々な本のご紹介と実感したこと
精神科医としてご自身でクリニックを開設されている岡田尊司氏は、多くの本を執筆されています。
そしてこれまで、岡田尊司氏の本を何冊かご紹介させて頂きました。
今回は、これまでにご紹介させて頂いてきた本以外の、病名・症状そのものがタイトルとなっている本をご紹介させて頂きます。
ここで列記した本をご覧いただければ分かる通り、網羅的に読んだわけではありません。書店や図書館などで目に入った本を次々と手に取って読んでみた、というのが実態ですね。
それらは、以下の本です。
私自身は専門家ではないため、今回は個々の本の内容に関する記述は控えます。
が、読んで総合的に思った点を書かせて頂きます。
・驚くほど多種の病名があり、また1つの病名の中でも、症状別にかなり細分化されているな、というのが実感です。
医師の方が、これら全ての状況をしっかりと把握し、正確な診断(診立て)をすることは、とてつもなく大変なことだな、と感じました。責任が重く、大変なお仕事ですね。
これほど多くの病気・症状があることを踏まえると、岡田氏が主張されているように、(個々の対応に加えて、)「共通して」横たわっている原因・構造の究明を行っていくことも大切だと思います。
ちなみに岡田氏の場合は、その人をしっかりと支える存在、「安全基地」を確保し愛着を取り戻すこと、加えて近年空疎化が進む社会環境の改善などを、共通する問題点として掲げられています。大切なことですね。
・本の中で紹介されている様々なケースを読んでみて、「あっ、この傾向性は自分に当てはまるな」と思うことが幾つもありました。
ただ、ここで留意すべき点が2つあります。
1つは、正常/異常は明確に区別されるものではなく、連続性のあるもの、誰にでも萌芽がありストレスや強い葛藤などにより現れ得るものだということです。
もう1つは、「自分に当てはまるな」と思ったことが、1つの病名・症状の中だけにあるわけではない、ということです。すなわち、「様々な要素・要因の複合体」が自分なのだな、ということです。
「こころ」という複雑なものを、単純に幾つかのカテゴリーに分けることが困難なのは、考えてみれば当然でしょうね。1か0(ゼロ)かの2分法的なカテゴライズを行うのではなく、程度・強弱、他の要素の存在などをしっかりと踏まえることが必須ではないかと感じました。
もちろん私は専門家ではないため、臨床的に的を得た見解かどうかはわかりません。が、そのように思いました。
ご紹介・感想は以上です。
まずはご自身がご興味ある本を手に取ってみられるのが良いのではないでしょうか。
そして、正式な病名などの判断については専門家の手に委ねるとして、「参考」という位置付けで読まれるのがいいのかな、と思います。