小室直樹氏の本は、教養書として素晴らしいと思います! -宗教原論、憲法原論-
本日は教養書についてご紹介させて頂きます。
私の場合、教養のある方というと小室直樹氏を思い起こします。
以前、書かせて頂いたように、
小室氏は、大学で数学と政治学を、大学院で経済学、心理学、社会学を
学ぶという異色の経歴をお持ちで、本当に多様な知識・教養をお持ちです。
そのような小室氏が、教養という視点で宗教について扱った本、
「日本人のための宗教原論」について紹介させて頂きます。
まあ、宗教原論ということで、アマゾンの書評でも
「小室氏は正確に理解されていない」という酷評も見受けられます。
が、キリスト教、イスラム教、仏教、儒教など、
世界の大宗教の骨格を知る、という点でたいへんに参考になる本だと思います。
例えば、イスラム教、キリスト教における「一神教」という世界は、
日本のような「多神教」とは、かなり違った考え方であることが分かります。
また、イスラム国家では宗教の戒律、社会の規範、国家の法律が一体化しており、
国家と宗教が密接に関わりあっていることが分かります。
そして、仏教の歴史と絡めながらの、
現代日本の状況分析が、たいへんに為になります。
アノミー(無連帯)、オタクなどの言葉も出てきますね。
今回ご紹介した本は、信仰という視点ではなく、
教養という視点で読めばよいと思います。
そのうえで興味を持ったら、さらに深く読み進めばよいと思います。
また、再掲になりますが、
以前紹介させて頂いた「日本人のための憲法原論」についてもご紹介します。
この本も「憲法」と書いてありますが、内容は憲法に留まりません。
現代文明に大きな影響を与えた西洋の歴史、宗教(キリスト教)や
政治、経済に至るまで、多種多彩な分野について
問答形式という分かりやすい形式で書かれています。
分かりやすいとは書きましたが、情報満載なので読み応え十分ですが。
小室氏の本の特徴は、本のタイトルに止まらず、
現代社会との関係性、他分野とのつながりなど
多種多様な内容が盛り込まれていることです。
400~500ページにわたる本なので、
読むのに骨が折れるかも知れませんが、
ぜひ、手に取ってみて頂ければ、と思います。
なお、小室氏の本には、
イスラム原論、中国原論、経済原論などの本もあります。
さらに読み進めたい場合は、これらの本もおすすめです。
宣伝めいて恐縮ですが、私には興味深い本でした。