「お金」「利子」って何だろう? -「エンデの遺言」(おすすめ本)-

 

昨日は、ドイツのミヒャエル・エンデによる「モモ」について書かせて頂きました。

 

今回は、ミヒャエル・エンデなどの思想、地域貨幣などについてよくわかる本エンデの遺言について書かせて頂きます。

 

この本は、1994年、晩年のミヒャエル・エンデに対するインタビューを元に、NHKで放映された番組「エンデの遺言 -根源からお金を問うこと」から生まれたものです。

 

執筆者は複数に渡っており、NHKプロデューサーの河邑(かわむら)さん始め、4名の方が名前を連ねていらっしゃいます。

前半はエンデについて書かれていますが、後半は、エンデに影響を与えたシュタイナー、シルビオ・ゲゼルの思想や地域貨幣の話について書かれています。

 

この本での「問題意識」や「事実認識」は次の通りです。

 

お金は常に成長を強制する存在である。

成長を強制する理由は、「時間とともに加算される利子」と「欲望」である。

時間とともに膨らむ利子と欲望を推進力として、お金は国境を越え、あらゆる分野で利潤を求める。

 

貨幣は元々、金貨や銀貨のようにそのもの自体に価値があった。

それが紙幣になり、今日動かされているのはコンピューターの単位、まったく抽象的な数字と言える。

 

また紙幣の発明で問題が生じるのは、紙幣が好きなだけつくれるからである。

(筆者注:コンピューターで動かす貨幣も同様。)

 

実際の物や品物は滅び朽ちるのに反し、お金は不滅なのである。

(筆者注:後の章で、「お金を時の経過の中で痛んでいくものにしなければならない」「老化する貨幣」というコンセプトについて紹介されています。)

 

現代のお金が持つ本来の問題は、お金自体が商品として販売されていることである。本来、等価代償であるべきお金が、それ自体が商品になったこと、これが決定的な問題である。

 

いかがでしょうか。

するどい指摘だと思いませんか?

 

実は私は、「お金に利子が付くのは当たり前、このため、経済は成長し続けなくてはいけない。給料も上がり続けないといけない」ということについて、新入社員として、とある会社に入社した頃、素朴に疑問に思っていました。

 

「会社は現状維持ではだめなのでしょうか?」と先輩に問うたことがあります。

 

そして、この素朴な質問に対して先輩は「給料が上がらなかったら生活はどうするの?困るだろう?」と当たり前のごとく言われました。

「物価も上がる」「蓄えも必要」なのにどうするの?というようなニュアンスだったと思います。

 

まあ、物価上昇への対応については一理あるのですが・・・

それにしても、物価上昇をはるかに上回る業績向上を常に目指すという考え方については、数年間は腑に落ちませんでした。

が、その後、会社員生活が長くなるにつれて、いつしかこのような疑問が薄くなり、会社の提示する成長目標に傾注するようになっていきました・・

 

競争社会において淘汰されないよう、とにかく成長し続けるという企業の考え方はわかります。

けれども、継続的な成長を志向することに違和感を覚えます。

全体性を考える、長期的視野に立つ、ということが必要に思います。

 

また、エンデの関連でいうと、私の場合「現状維持でいいのでは?」とまでは思いましたが、エンデが言うような「お金でさえも、世の中の物や品物と同列」に見て、「お金でさえも、減らなくてはいけない」とは思い至りませんでした。

いかに先入観、思い込み、信念の中にどっぷりとつかっていたのか、を思い知らされました。

 

さて、これでも、この本の中のほんの一部しか紹介していません。

 

書いたのは、エンデの事の一部だけですから。

 

この後、シュタイナー、シルビオ・ゲゼルから地域貨幣にまで話は至ります。

またいつか、この方たちのお話や、地域貨幣についても記事にしていきたいですね。

 

最後に、昨日の「モモ」の記事にも書かせて頂きましたが。

「モモ」の主題も「老化するお金」という考え方が背景にあるのです。

灰色の男たちに見立てて「利子が付く、増えていく」ことの問題点も語っているのです!

 

読み応え十分の本ですよ!

 

 

 

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