「21世紀の資本」の解説本が分かりやすい!「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」
一昨日の記事で「近年、これほど解説本や特集記事が出版された本も珍しい」
と書きました。amazonで検索してみても 10冊以上ヒットしますね。書店でも特集
を組んで、ピケティ教授の本と、解説本が置いてあります。
実は私も、この本を読む前に雑誌等の特集記事を読んでみました。そして(すべ
てを読んだわけではありませんが、)そんな中でも、週刊誌の特集が中立的で
わかりやすいと思いましたので紹介します。
一推しは、「週刊ダイヤモンド 2015年 2/14 号」です。
まずは、入門「21世紀の資本」と題した概要を読めば、この本のアウトライン
が分かります。有名な「r>g」以外の式 「β=s/g」 なども紹介してあったり、全
体的に包括的にまとめてあると思います。
さらには、池上彰氏との対談が良いです。
ピケティ教授は文学好きであり、「ピケティ教授自身、およびこの本が文学
作品からの影響を受けている」、「この本の執筆の第一目的は経済学を
一般の人に広めるということである」など本では書くことの無かったトピック
スが話されています。(余談ですが、池上さんはポイントを押さえて中立的
な話を展開できる稀有な方だな、と思います)
さらには、佐藤優氏、竹中平蔵氏、水野和夫氏、森永卓郎氏、成毛真氏
など、著名な有識者によるコメントも参考になります。詳細は書きませんが
竹中氏のコメントは少々意外であるとともに、今の政府の考え方が少しだけ
漏れ伝わるように感じました。
さらには、「週刊東洋経済 2015年 1/31 号」も良いです。
この本でも、Q&Aの形で分かりやすくエッセンスがまとめられています。
そして、週刊ダイヤモンドと比べたこの本の特徴は、アメリカ著名人による
ピケティ批判、日本の格差の研究、ピケティ教授から更に発展させて、
一般の最新経済学の記事が充実していることです。
個人的には、「21世紀の資本」の内容を鵜呑みにするのではなく、批判的な
見解を読めたことが良かったと思います。
全般的に見ると、週刊ダイヤモンドと比べ、若干記事の方向性が発散的で
難解な用語が多めな感じです。
ちなみに、これらの本は1、2月発刊ですが、本屋のピケティ特集コーナーの
中においてあることが多いです。さらには、紙の雑誌でも読めますが、電子
書籍Kindleでも読むことができます。