【人工知能】は、今どこまでできるのか? 将来はどうなるのか? -「人工知能は人間を超えるか」より-

 

今、巷では人工知能(AI)に関する記事をしばしば目にしますよね。

このまま人工知能が発展していくと、2045年頃にはシンギュラリティといって、人工知能が人間の能力を超えてしまう(正確に言うと「人工知能が、自分の能力を超える人工知能を自ら生み出せるようになる」=人間を超え得るということです)ようになり、

その結果、コンピュータが人類を支配する世界が出現するという・・・まるで映画のターミネータの世界のようなことまで語られるようになっています。

 

では、この人工知能によって世界はどうなるのか?

今、どこまでできるのか?

あまりにいろいろなことが語られていて実態がよく分からない人工知能に関して、第一線の研究者である松尾豊氏が分かりやすく解説してくれたのが、「人工知能は人間を超えるか」という本なのです。

 

実は人工知能って、今までも2回ブームがあったのです。でも、思ったほどでは無いなぁということで、その都度沈静化していった歴史があります。

そして今回が3回目の人工知能ブームなのです。

ちょっと過熱しすぎな観はあるようです。人工知能という程ではないモノさえ、人工知能と謳われていることもあるみたいです。

とは言え。

著者曰く、今回のブームでは、「人工知能研究50年来のブレークスルー」とも言える大きな転換点だと言われているのです。まだまだ一部なのですけど。。

 

ディープ・ラーニング(深層学習)という言葉をお聴きになる機会が結構あると思います。

この「ディープ・ラーニング」により、「特徴表現の獲得」ができそうなことこそ、大ブレークスルーとなる可能性があるということで、話題となっているのです。

 

では、「特徴表現」とは何か?

それは「概念学習」とも言えます。

要するに、データを元に、コンピュータ自身で「何がこのデータの特徴か?」を認識できるのです。

具体例を示すと、グーグルのネコの画像認識の話が分かりやすいです。

ただ単に与えられた画像データを解析して、「これはネコです」と認識できることがすごいのです。

これだけ聞くと、「何で?私たちがいつもしていることじゃん。簡単じゃん」となりますが・・・

一言に「ネコを認識する」といっても、ネコの画像データは千差万別で、例えば耳が三角だと言っても、顔が毛に覆われていると言っても、それを認識・判別するのって、従来のコンピュータでは全くできませんでした。

このようなネコの特徴を、人が教えてやるのではなく、人工知能自らが認識・判別できるところがすごいのです!

この「特徴表現」「概念学習」は、まだまだ一部のものですが、それを各方面に応用できるようになると、「判断基準を人から与えられなくても、自らがモノを認識できるコンピュータになり得る。すごい!」ということなのです。

多分この、「自ら認識できる」という点を進めていくことが、シンギュラリティとか、コンピュータ支配の未来の論拠になっているのだと思います。

ただ、これまで書かせて頂いたような人工知能の現状を知ると、まだ現時点でできることは限られている、ということが分かります。未来の可能性はわかりませんが。。。

 

また、本書では、コンピュータ自らが意志を持ち、暴走し、人類を征服するには、「知能」に加えて「生命」という、今だまったく実現できていない点も考慮しなくてはならないので、「それは言い過ぎ」だとも仰っています。しっかりと分けて考えていく必要がありそうですね。

むしろ、今の限られた機能でも、軍事での悪用とか、倫理を無視して悪用される方が脅威なのです。

 

また、これも最近よく言われているように、このような限られた範囲の人工知能でも、職務などに特化した機能は人間を凌駕することも可能になってきていますので。。。今後の産業構成ライフスタイルに大きな影響を及ぼす(要するに、仕事がなくなる可能性があるということです)のは確実です。

人工知能は、今もかなり私たちの生活の中に入り込んできていますよね。今後もっと人工知能のレベルが上がっていって、私たちの生活に入り込んでいくことによって、気づけば私たちの生活が一変している可能性も高いのでしょうね。

 

今回ご紹介させて頂いた松尾豊氏の「人工知能は人間を超えるか」は、分かりやすくておすすめですが、もっともっといろいろと本に当たっていきたいと思います。興味深いジャンルです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA