行動することでアイデンティティを確立していく1 -キャリアチェンジのための型破りな戦略-
私は長年、あるメーカーに勤務していましたが、
そちらを退社し、現在はヘミシンク・トレーナーや
中小企業診断士をさせて頂いています。
キャリアチェンジした、と言えるのでしょうね。
本日は、そのキャリアチェンジにおいて
私自身の実感として有益だと思った本をご紹介します。
私自身がキャリアチェンジする際、
「キャリアチェンジの前に読んで、その方法に従った」というよりは、
キャリアチェンジの最中に並行して読み、
そしてキャリアチェンジ後にも確認し、
得心できたことが多々あった、そのような本です。
その本のタイトルは「ハーバード流 キャリア・チェンジ術」です。
この本は、
日本語タイトルに「ハーバード流」と付いてしまっているため、
ちょっと何について書いてあるのか分かりにくいですね。
原文のタイトルでは目的がしっかりと書いてあって、
「キャリアを見直す際の、アイデンティティを確立する型破りな戦略」
について書かれた本です。
まずは用語を解説させて頂きます。
キャリアとは「仕事」「就職」などの「点」の状態を指すのではなく、
「継続的」な、働くことにまつわる「生き方」そのものです。
働くことの比重を大きめに考えた「ライフスタイル」といってもよいでしょうか。
キャリアチェンジとは「単に仕事を変える」という面もありますが
「ライフスタイル自体を変更する」とも言えるのです。
そして「アイデンティティ」とは「自己同一性」のことですが、
「これが私です」と言えるもの、とも言えるのではないでしょうか。
そうなると、
原題の「キャリアを見直す際のアイデンティティを確立する型破りな戦略」とは
自身のライフスタイルを見直す際に「これが私だ」と言えるものを確立する
ための型破りな戦略について書いてある本、と言えると思います。
さてそれでは、どこが型破りなのでしょうか。
それは。
一般的に、従来のキャリア戦略では、
自己分析を行うことで、本当の自分=自身のアイデンティティを探し、
それに見合ったキャリア=職業を見つけ出すという方法がとられます。
机上でしっかりと自己分析を行うことで、自分の中にある本当の自分を
見つけ出す、自分に合った職業を見つけ出す、という方法ですね。
けれどもこの本では、全く異なった方法が提示されます。
キャリア・チェンジとは、キャリア・アイデンティティーを
見直すこととも言えるのですが、
その「キャリアアイデンティティ(=これが私だ、と言えるもの)」は、
「心の底に隠された宝物」として見いだされるものではなく、
「数多くの可能性からなりたっているもの」と言うのです。
本当の可能性を見いだすのは行動を通じてである。
自分を見つめたり抽象的に考えたりしても実際には
アイデンティティーは確立されない。
行動して学ぶという混乱した試行錯誤を繰り返して
確立されるもの、ということを言っているのです。
行動してから考える。行動することで新しい考え方が生まれ、
変化できる。自分を見つめても新しい可能性は見つけられない。
行動することで、可能性自体も変化していく、
と言い換えても良いですね。
どうでしょう。
従来とは全く逆の考え方ですよね。
もちろん、この本には
この後に続く「行動の作法」についても書いてあります。
そちらについては、次の記事とします。