溜め込むことの弊害を語る-老子のことば-
老子のことばです。
盈(み)ち足りた状態を失わぬように保ち続けるのは、やめておいた方がよい。
刃物を鍛えて鋭くするのは、長く切れ味を保てない。
金銀財宝が部屋いっぱいにあるのは、守り続けることができない。
富貴で驕慢ならば、みずから災難を招く。
仕事をなし遂げたら身を退ける。それが天の道というものだ。
老子
自然の流れに逆らって、人手により何かを蓄える、あるいは何かを変えていく。そんなバランスを欠いた状態は、どこかで揺れ戻しが来る。
私たちに元々、所有物はそれほど必要ない。
そういった真理を語られているのだと思います。
私たちは、日々の真っ只中、物事の最中にある時、そのことをより良くしていくために、躍起になっています。
そんな時ふと、俯瞰の目で見てみると、実は大きくバランスを欠いてしまっていることに気づくのではないでしょうか。
進み続ける中、「何か違うな。いいのかな。」といった違和感のようなものは大切にしたいものですね。
また、何かうまくいかない状況が起きると、そこから考えを見直してみたり、原点に戻れるようなことも多々あるように思います。
そして、冒頭のような英智の言葉に触れることも、何かに気づかせて頂けるきっかけになるのではないでしょうか。
本、しかも時代に淘汰されることなく残り続けた本には、気づき、知見が溢れているのではないかと思います。
以上です。