ユングFOR BEGINNERS -おすすめのユング解説本-
今日は、分析心理学の祖、
ユングの本について紹介したいと思います。
ユングの本というと、ユング自身の「自我と無意識」や河合隼雄氏の「ユング心理学入門」が定番ですが、それでも少し敷居が高く、少々分かりにくいということがあるかもしれません。私も何冊か読んでいて、スッと入ってこない部分があり、大学授業などで補足してきたのは、前述のとおりです。
まあ、大学授業を受けるのは、少々ハードルが高いかな、という部分もありますので。。。
そのような中、かなり体系的にまとまっていてわかりやすいな、と思った本に「ユング (FOR BEGINNERSシリーズ)」があります。
この本は、書店で偶然に見つけました。
目次、および気になる章を少し読んでみて、私に合いそうだなと思って購入した本です。この本の著者である大住誠さんは、臨床心理士であり、高校教諭であり僧侶でもある、という個性的な肩書をお持ちの方のようです。この方のことを知っていてこの本を選んだのではなく、この本を選んだ後にこの方のことを知った、というパターンでした。
さて、この本の構成ですが、大きく分けて3つの構成となっています。
・ 深層心理学の全体像
・ユングの生涯
・ユングの思想
そして中でも、「ユングの思想」の章が分かりやすいと思います。
ユングの思想の章は、リビドー(本能)論、性格タイプ論、元型・個性化論などで成り立っていますが、その中でも、性格タイプ論と元型・個性化論が分かりやすくまとまっていると思います。
ここで、各々の印象的な記述について述べてみます。
まずは性格タイプ論について。
ユングは、性格を、思考、感情、感覚、直観型の4分野に分けました。
そして、性格を分類した後、意識と無意識の補償性の大切さ、具体的には「主機能、補助機能、劣等機能を意識化していく」という統合化の過程について分かりやすく記述しているな、と思います。
そして、元型・個性化論について。
50ページくらいをさいて、ペルソナ、コンプレックス、影(シャドー)、元型、例としてアニマ、アニムスなどが具体例とともに分かりやすく説明してあります。
一般的に、新しい分野を学ぶ場合、(1)全体を俯瞰できるような書物にふれる、(2)その中で気になった人の入門的な本を読み、全体像を把握する、(3)気になる人の著作を何冊か読む、というように全体から細部に至る、ことで深めていきます。(実は、私の場合、心理学を学ぶ際、自分の興味の赴くままに学んできた面があるので、ちょっと異例なのですが・・・ここでは一般論で話したいと思います。)
今回紹介した本は、「(2)気になる人の全体像把握に適した本ではないか」と思います。「ユングの全体俯瞰、基本的な思想のおさらい」という意味で良いのではないかと思います。
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