神秘性に満ち溢れた、不思議で示唆に富んだお話が満載の【あるヨギの自叙伝】は一読すべきですよ!
今回は、パラマハンサ・ヨガナンダ師の「あるヨギの自叙伝」についてご紹介します。
ヨガナンダ師は、1893年、インドに生まれ、その後アメリカに渡ってヨガを広く伝えられた方です。
そして、500ページを超えるこの本は、そのタイトルとおり、ヨガナンダ師の自叙伝にあたるものなのですが、不思議で神秘的な話、示唆に富んだ話、大いに参考になる話、驚嘆する話に満ち溢れています。
その一部を取り上げてみましょう。
・ヨガナンダ師の古い記憶の話
ヨガナンダ師の記憶に残る最も古い記憶は、ヒマラヤにいた前世の光景だそうです。そして、私が驚嘆したのが、乳児の頃に味わった「歩けない、思うことを自由に表現できない」というやりきれない屈辱感に関する思い出です。
早くも乳幼児の時に、心理的・肉体的屈辱感を感じていたという話は、インド聖者の中では特段珍しい話ではないのかも知れません。が、本書冒頭でのこの話は、その後のヨガナンダ師の人生を想起するに十分な、神秘感満杯のお話ではないかと思います。
・師匠を求めて聖者に会う
この本の大きな主題は、ヨガナンダ師生涯の師匠であるスワミ・スリ・ユクテスワ師との邂逅ではないかと思います。本書の中で大きなスペースを割いて、ユクテスワ師の言葉・行動について書かれており、文面の端々からヨガナンダ師によるユクテスワ師への深い愛情・尊敬の念を感じ取ることができます。
また、ユクテスワ師に会う前、会った後にも数々の聖者に会われていますが、こちらのエピソードも十分に興味深く思います。マハトマ・ガンジーとの邂逅もありますよ。
・ユクテスワ師の奇跡的なお話
上記とも重複しますが、ユクテスワ師による多くの奇跡が印象的です。
私が印象に残ったのは、以下の2点です。
1つは、ヨガナンダ師に「宇宙意識」を体験させる話
ある日、瞑想中のヨガナンダに対し、ユクテスワ師がおもむろに宇宙意識を体感させてくれるお話が印象的です。ヨガナンダ師が体感した宇宙意識に関する記述が、とてもリアルで、参考になります。
もう1つは、死後、復活したユクテスワ師による「死後の世界」の話
ユクテスワ師の死後、ヨガナンダ師のもとにユクテスワ師が現れます。物質界、幽界、観念界について語る内容は、圧巻ですし驚嘆です。
・アメリカでの活動
インド国内で活躍していたヨガナンダ師は、やがて宗教会議での講演要請など、アメリカとのご縁ができていき、ついにはアメリカに渡ることとなります。1930~1950年代の、最も勢いがあったころとも言えるアメリカの情景が垣間見えて、こちらも興味深いです。
500ページを超える本なので、全体を浅く俯瞰したような感じになってしまいました。印象に残ったエピソードについては、また記事を改めて書かせて頂こうかな、とも思います。
ヨガナンダ師は、「アメリカへのヨガ普及」という、かなり地に足の着いた活動をしつつも、一方で神秘性満載の不思議な体験を多々されています。
「実践活動」+「意識の探究」という理想的な生活を体現しているのではないでしょうか。
この本は、一度全体を読んだ後、気になった点を何度も読む、そんな本だと思います。