日常感じる【ストレス】への対処法も参考になる ‐岡田尊司氏の「ストレスと適応障害」‐

 

【ストレス】

 

人は絶えず何らかのストレスを受けています。

ストレスが適度な大きさならば、むしろ良い刺激となり、活力や能力発揮を促進する方向に働く場合もあるようです。

しかし、ストレスが許容範囲を超え、限界を突破してしまったとき、心や体調のトラブル・不調など様々な症状を引き起こすことがあります。

本書で論じられている「適応障害」とは、岡田尊司氏や厚生労働省のホームページを参照すると、心や身体のバランスが崩れた状態ですが、その環境から離れたりストレスが減ると軽減・改善し得る段階のものだということです。(このため、早めの対応が必要となります)

また、個人差が大きく、そして誰にでも起こり得るもの、という点も特徴です。

この本:岡田尊司氏による「ストレスと適応障害 つらい時期を乗り越える技術」では、次のような内容が盛り込まれています。

 

 

1.ストレスや適応障害の解説(概説)

2.様々な原因:遺伝的要素、幼いころなどの愛着の問題、誤った認知など

3.様々なパーソナリティ・タイプと陥りやすい落とし穴、対処の方向性

4.学校、職場、家庭での事例、注意点

5.ストレスや試練、逆境を乗り越えていくための技術
  凹まないための思考法、意思決定や問題解決のアプローチ

などです。

やはり、岡田尊司氏の強みは、精神科医でありながら、認知心理学や発達心理学などの心理学にも精通されている点だと思います。相当に研究されており、豊富な知識、経験をお持ちであることが伺い知れます。

この本も、たぶんに心理学的要素が強い内容です。

 

私は長年、メーカーに勤務していました。振り返ってみると、新しく職場に配属された時、仕事の納期に遅れそうになった時/遅れた時、お客様先からのクレームがあった時、労働時間が長い時など、様々なケースでストレスを感じることがありました。

当時は根性論のようなものもまかり通っていて、必死にやっていくうちに徐々に事態が改善していくこともあれば、周りの方々に助けられて改善に向かうこともよくありました。

この本では、当時の私が知らなかった内容、これらを知っていれば参考になった点などが幾つも盛り込まれていました。

もちろん、250ページほどの新書にまとめられているわけですから、各々に深く突っ込み切れていない部分があることは事実です。が、それは仕方ないことであり、この本でまず全容を把握し、気になった箇所を別の本などで深く研究する、という使い方が良いのではないかと思います。

今でこそ、メンタルヘルスの一環として、職場などでも教育を受ける機会が増えてきましたが、今後、家庭など更に広い範囲へ、かつこの本に記載されるような包括的な内容を学び知る機会を設けることが大切だと思いました。

 

 

 

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