パーソナル・サポートの活動状況についてご紹介します。 「貧困についてとことん考えてみた」より

 

今回は、貧困についてとことん考えてみたの中にある釧路(北海道)、豊中(大阪)、沖縄の3ヶ所でのパーソナル・サポートの活動状況についてご紹介します。

2012年の状況なので、現在では若干変化している部分があるのですが分かる限りで最新のホームページにリンクしてみます。また、湯浅さん、茂木さんとも、このような情報を広めることが重要であることをおっしゃっていらっしゃいますので、記事として積極的に掲載させて頂きます。

 

 

まずは、釧路市の状況です。こちらでの活動の特徴は「居場所づくり」です。当事者性を大事に、フラットな関係を創られることを重視されています。

現在は、地域生活支援ネットワークサロンとして活動されているようですね。前身から合せると、20年を超える長いご活動をされていらっしゃいます。

地域でだれもがいきいきとした生活を送るための

・人と情報の出会いの場
・元気の充電の場
・夢を語り実現する場

をつくり出す、というコンセプトで介護事業所、地域起業創造センターまじくる、児童ディサービスセンター、コミュニティハウス冬月荘など、多彩なご活動をされています。

本書の中で印象に残った活動を一点、ご紹介します。

上記のコミュニティハウス「冬月荘」についてです。地域の居場所として誰でも来ることができお互いが役立ち循環する場所というコンセプトのもと、具体的な機能としては、

・住む場所がないという若者が居住する
・事業所の給食づくりなどを通じて雇用をつくり出す
・中学校3年生の学習支援、

などを行なわれています。雇用も考慮したシェアハウスであり、学習も支援するという興味深い取組みですね。こちらに冬月荘のホームページがあります。

 

続いては、大阪府豊中市での活動状況です。

こちらの特徴は「福祉分野と就労支援分野の専門家連携」です。生活と就労の一体型支援ですね。キャリアコンサルタント、臨床心理士、社会福祉士、看護師、社会保険労務士、中小企業診断士(!)などの専門家が連携し、支援方針を決めて行っていらっしゃいます。

現在はキャリアブリッジ(リンク先はこちら)として活動されていらっしゃるようです。専門家チームによるサポートは「くらし再建パーソナルサポートセンター」として継続されているようですが、ホームページには「専門家チームとして一部相談支援を担当する」とありますので、現在はトランスファー(専門家に繋ぐ)がメインになってきているのかもしれません。ホームページを拝見する限りでは、若者サポートに力を入れてきていらっしゃるように見えます。

 
そして、沖縄での活動状況です。

こちらの特徴は「行政機関などとの連携」にあるようです。この記事では、定期的に開催する相談会のお話が印象的でした。相談会には、年金機構、社会福祉協議会、市の生活保護課、ハローワークに加え、弁護士なども集結されており、相談者は、パーソナルサポーターがいるブースに行って相談することで、各ブースにつないでいく仕組みとなっています。

以前も書かせて頂きましたが、相談者の方は、自身の持っている課題が整理されていないことも多く、また自身の課題がどの分野に当てはまっているかが分からないということがあるようであり、1回の訪問で種々の分野のサポートができる点が素晴らしいと思います。また、この相談会のみならず、支援者側が勉強会や研修会を合同で行うことで、支援者側がつながり、地域全体で解決能力が上がっていく、という点も印象的でした。沖縄のパーソナルサポートセンターのホームページはこちらですね。自立支援関係のサポートが充実しているように見えますね。

 
今回の本にあったのは、上記の3ヶ所です。

それぞれが異なった特徴を持っていますが、利用者目線に立った総合サービスである点は共通しています。

このようなサービスが、もっと広がり、もっと活用できるようになると良いと思います。

 

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