クスッと笑える上に、中国のふつうの家の「生の姿」もよく分かる【中国嫁日記】が面白い!
この漫画の作者である井上さんは、自称オタクの40歳。
妻である月(ユエ)さんは中国生まれ、中国育ちの26歳。
(いずれも、連載開始時の年齢です)
国も違えば年齢も離れている2人の日常のちょっとした習慣の違い、(言葉が正確に伝わらないがゆえの)すれ違い、勘違いを面白おかしく描写することで、クスッと笑える。「中国嫁日記」ってそんな漫画だと思われていますか?
たしかに、そういう面はあります。すごくなごみます。
けれども。
この漫画、それだけではないのです。
作者の井上さんは、フィギュアの企画・販売も行っていて、フィギュアの製造を中国で行っていることもあり、元々中国の方の知り合いも多いし、よく中国に行き来されていました。
さらに中国人の月さんと結婚したことで、月さんの故郷(中国の東北部:瀋陽市)、月さんの姉妹の住まい(中国南部)などにもよく行き来するようになるのです。
このため、中国の会社とのビジネスの現場とか、中国の普通の家庭の文化・環境について、通り一遍の観光では決して知ることのできない生の姿を、漫画というビジュアルで描くことにより、分かりやすく、読んでみて一気に視野が開ける思いです。
何と言いますかね。
「やっぱり国が違うと習慣が違うもんだなぁ」と思ってみることがあれば、「人間同士、似たような感性だなぁ」とか「こんなものが流行っているんだ!」と思ってみたり・・・はたしてこの違いって、個人差なのか、国の文化の差なのか、年齢の差なのかよくわからないくらいいろいろあり、感嘆したりクスッと笑ったりしながら、読み進められます。
さらには、この漫画は2010年より始まっていますので、すでに7年程度が経過し、いろいろと深い話、トラブルの話なども取り上げられているようになっています。
ビジネスパートナーとの大トラブルの話とか、不妊治療に関する話など、現在進行形であり、今後どうなるか、ある意味ハラハラしながら、その様子をうかがっている感じですね。
この、大きなトラブルに巻き込まれた時、大きなショックを受ける井上さん(夫)を、妻の月さんが、相手の気持ちを思いやるため、気丈で元気の出る対応をされるシーンなどは素晴らしいですね!
このように困難を乗り越えることで、絆を深めていっていらっしゃることが伺えます。
さて、改めて書かせて頂きます。
この「中国嫁日記」は、
1.国、年齢のギャップから生まれた、日常の面白おかしいエピソードにクスッと笑える。
ことに加えて、
2.中国のいろいろな地域の、普通の人々の生の姿:生活の様子がよ~く分かる。
3.数々のトラブルを乗り越えていく過程で、家族(実家含む)の絆が深まっていくことを実感する。
という、一粒で三度おいしい(死語?)漫画だと思います。
話題になるのもよく分かります。
ぜひ、ご覧になってください!