インドの哲学者によって提唱された「プラウト」理論 (1) -資本主義を超えた世界を模索する-
今回は、
インド哲学者により提唱された社会・経済理論についてご紹介させて頂きます。
それは「プラウト」という考え方です。
プラウトは、インドの哲学者サーカーによって提唱され、
弟子であるダダ・マヘシュヴァラナンダ達によって発展されてきた理論です。
プラウトのことを「進歩的活用理論」とも言うようですね。
実は経済学に留まらず、教育、政治などの広い範囲を扱う理論だったりします。
さて「プラウト」思想を元にした次代の経済社会を模索する本
「資本主義を超えて」について紹介させて頂きます。
情報量が満載ということもあり、
この中から印象的な点、大いに同意できる点を、一部ピックアップしましょう。
まずはプラウトについて。
プラウトは、無限の幸せの状態に向かう活動と表現だけが、
進歩とみなされるべきである、と提起する。たとえば、全ての
人に生活の最低限の必要を保障することは、集合的な心の
平安を保証する。生活に基本的に必要なものを稼得する機会を
人々に提供する経済だけが、進歩的とみなすことができる。
家賃や家族の教育費と医療費を心配する必要がないときに、
人々のより高い資質の発達が可能になる。(P.46。一部削除箇所有)
そして、プラウトが必要とすること=最低限の生活必需品について。
プラウトが第一に必要とすることは、
あらゆる人の最低限の生活必需品を保障することである。
すなわち、5つの最低限の必需品として以下のものがある。
①食料(飲料水含む)
②衣服
③住居(下水、エネルギー含む)
④医療
⑤教育
の5つである。(P.58)
完全に同意します。
現代日本では全てを保障し切れていないと思われますので、
文化的な最低限の生活を行うことこそが、政治・経済の役割ですね!
それでは、プラウト経済での生産形態などはどうなるのか?
そちらについては、次回に書かせて頂きます。