天外伺朗さんによるポスト資本主義に関する考察も興味深い! -「GNHへ」という本-
昨日に続き、
ポスト資本主義について考察された本について紹介させて頂きます。
この本は、新刊では購入できないのでしょうかね。
天外伺朗さんによる「GNHへーポスト資本主義の生き方とニッポン」という本です。
ここでまず、著者の天外伺朗さんについて紹介させて頂きます。
天外伺朗さんというお名前はペンネームです。
天外さんはソニー出身で、CD(コンパクト・ディスク)、ワークステーション、
AIBOなどを開発されました。と同時に天外さんは、ソニー在籍中から
スピリチュアルについても研究され、書籍などで発表されてきました。
天外さんのベースには心理学、科学などがあり、宗教についても
造詣が深い方です。
私自身、天外さんの本は、ほとんど読ませて頂いていますので、
また今度、紹介させて頂きたいと思っています。
さて、この本「GNHへ」に話は戻ります。
GNHとは、Gross National Happinessの略で、国民総幸福量のことです。
ブータン王国が、GDPに代わり、この指標を国目標として掲げられている
ことでも有名ですね。金額ではなく、幸福量を国の豊かさとする考え方です。
前述のとおり天外氏は、心理学(トランスパーソナル心理学)をベースに、
次代に生きる人々の必要な条件として「成熟した自我」を挙げられています。
「成熟した自我」とは、自身の不完全性をよく認識し、それを受容し、
完全性を装うことなく、また他人や組織や社会の不完全性を
程よく受容できるレベルの人々を指します。
競争、自己顕示欲などをベースにするのではなく、
自然人であることをベースにしている、とも言えるのでしょうか。
また、天外さんはキーワードとして「自給」を挙げられています。
すなわち、農業(食)・教育・医療・信頼・通貨の自給です。
教育の自給を例にとってみると、
画一的教育ではなく、(チクセントミハイの言う)フローを大切にする、
シュタイナー、デューイ、ニール、グリーンバーグなどの教育方法に
未来への可能性を見ます。
教育革命のキーワードとして、画一的な国家主義教育学からの脱皮、
知能・社会性・人間力・知力知識ノウハウの4領域での教育、
教育の完全自由化を提唱されています。
現在の天外さんは、さらに進んで、
教育、会社経営などに特化した内容の本を出版されています。
私もこれらの本を読み進めています。
今回は、心理学やスピリチュアルなどをベースにした一味違う
次世代社会論について紹介させて頂きました。