憲法について知る! -分かりやすいと定評のある池上彰氏による「超訳 日本国憲法」(おすすめ本)-
昨日紹介させて頂いた小室直樹氏の「日本人のための憲法原論」ですが先述の通り、この本には憲法の条文や解釈は載っていません!
小室直樹氏の本を読んだ後、せっかくならば憲法について俯瞰して理解してみたいということで、池上彰氏の「超訳 日本国憲法」を読んでみました。
池上さんと言えば、分かりやすい説明に定評があり、教養ジャンルの本を大量に出版されていますね。
私もこれまで何冊か池上氏の本を拝読しましたが、確かに分かりやすいです。
啓蒙という観点で池上氏が果たしている功績は多大なものがありますね。
この本は、そんな池上氏による「憲法条文とその訳」に関する本です。
さて、この本の構成は以下の通りです。
この本では、まず「現行憲法が制定された経緯」から始まります。
そしてみっちりと、しかし平易に「憲法の条文とその超訳」について書かれています。現代的な言葉で超訳されており、分かりやすいです。
そして最後に、何と「北朝鮮、中国、アメリカの憲法」が参考として紹介されています!
ここで、本書のほんの一部を紹介します。
憲法は、国家の最高法規。
いろんな法律の親分のようなものです。
そうですね。そういう認識ですよね。
さらには。
一般の法律の多くが、国民が守るべき内容を定めているのに対して、憲法は「その国の権力者が守るべきもの」なのです。
世界の長い民主主義の歴史の中で、憲法は、国家権力を制限し、国民の自由と権利を保障するものとして成長・発展してきました。
どんな権力も、憲法の規定に従って統治しなければ統治しなければなりません。
この原理を「立憲主義」といっています。
(太字部分は、私の補足です)
このことは、先にご紹介させて頂いた小室直樹氏の本にも書かれていますが、改めて読んでみて「憲法の位置付け」「立憲主義とは?」ということについて、案外曖昧なままだった、ということはないでしょうか。
私は、小室氏、池上氏の本を読むまで、まさにそうでした。
学生時代、最近の新聞・ニュースなどを読んで見ていたつもりでも忘れていたり、スルーしていたことを痛感しました。
さらには、
国民の権利を保障することを明言するのが(立憲主義である)憲法の役割だからです。
憲法に定められた国民の義務は、教育、勤労、納税だけ。
これも、具体的な義務に関しては法律の定めによります。
憲法を守る義務があるのは権力者。つまり公務員です。
(カッコ内や太字部分は、私が補足しました)
どうなのでしょう。
この辺りについて共通認識があるのでしょうかね。
上記の文章は、前文の解説の前半部分です。
この後、前文についてさらに詳しく解説があり、本文の解説、他国の憲法の紹介に続くわけです。
今、盛んに議論されている憲法について、この本を読んで概要を押さえておくと良いのではないでしょうか。
池上さんの、わかりやすくて、基本的に中立的なこの本を一読されてみるのはいかがでしょうか。