里山資本主義の藻谷浩介さんの講演会がありました!
先日、地元近くで開催された
藻谷浩介さんの講演会に参加してきました。
選挙シーズンという事もあり、講演会は、選挙立候補予定者の方と藻谷さんとのコラボレーションという事で開催されました。
ここでまず、藻谷浩介さんについて紹介します。
藻谷さんは、日本総合研究所という組織に所属されている方で、注力テーマは「アジアの人口成熟問題」なのだそうです(日本総合研究所のホームページより)。
日本中、世界中を飛び回っていらっしゃり、講演は年間400回以上されているようです。(1日1回以上って、どういうペースなのでしょう??)
地域エコノミストという立場になるのでしょうか、減少していく人口問題、中国地方を舞台とした地域活性化の取り組み取材を元に「里山資本主義」という本を執筆されています。
さて、講演会の様子です。
初めて間近に見た藻谷さんは、 声に張りがある方、というのが第一印象でした。
講演の最初に藻谷さんの単独講演があったのですが、とても頭の回転が速く、言語化能力に優れた方、という印象も持ちました。
それから、山口県ご出身という事で、見事な山口弁(というより私の耳には生粋の広島弁のように聞こえました。親近感がわきましたね。)で話されていました。
講演会の前半は人口問題について、後半はその処方箋という流れで進みましたが、後半は少しばかり時間不足で駆け足になったように思います。
藻谷さんは、講演内容をみんなに知ってもらいたい、と言われていましたので、ある程度内容を話してもいいのかな、と思います。
一つは、今後の生産人口減少、少子化という大変な問題です。
よく地方における高齢化の問題、という話が出てきますが、実はこの問題は地方に限らないのです。東京、大阪、名古屋などの大都市の近未来も深刻な状況となるのです。具体的には、日本のあらゆる地域で14歳までの子供の人口の減少、生産年齢と言われる15~64歳までの人口の減少という問題に直面しています。早いか遅いかの違いだけで、多くの街がこの現実に直面します。
さらには、65歳以上の老齢人口が増えていくのですが、実はこの現象は、都市部の方が顕著で、地方の一部では老齢人口の増加は止まってきています。
これは、マクロに見ると、今後の福祉、介護予算の増加につながる話です。
ちなみに、人口動態などのデータは、全て政府により公にされているようです。
では、その処方箋はどうするのか。
簡単に言うと、生産年齢の方が残るような地域活性化策を施すこと、例えば、地域内でお金を循環できるような仕組みを整えることや地域の一番品を伸ばしていくことや、地域からお金が流出することを防ぐ、などの施策が必要である、ということです。
時間切れ気味だったので、簡単に言われたため、これらは深くは話されませんでしたが、上記の「里山資本主義」という本にある内容に近い話なのかな、と思います。
藻谷さんの講演後のパネルディスカッションでは、参加者の方も積極的に発言される、などたいへんに盛り上がりました。
藻谷さんは、中国地方の多くの地域を取材されていますので、いつか私も、そのような場所に行ってお話を聴いてみたいものだと思いました。
最後に。
藻谷さんは、著書「デフレの正体」において、「デフレは上記のような【人口の波=人口動態=生産年齢人口などの減少】が原因である」「この原因に対して対策を施すことが重要である」ということを書いていらっしゃいます。
が、これに対し、「藻谷さんの言うデフレは、経済学でいうデフレではない。
藻谷さんが言われているのはミクロの現象だ」とか「生産人口が減少しているロシアなどではデフレが起きていない」などの批判があります。
確かにそういう面があるのかもしれませんが・・・
それでも、藻谷さんの上記の説は、一理も二理もあるように思えます。ピケティ教授の本同様、藻谷さんのデフレの正体についても、批判一辺倒というわけではなく、優秀な問題提起・たたき台として捉え、改善策をみんなで考えていくことの方が肝要ではないでしょうか。
最後に。
藻谷さんに関連する記事を幾つか書いています。
よろしければご覧ください!
・藻谷さんの講演会がありました! →本記事です。
・半年ぶりに藻谷さんの講演会に行ってみました!(2015年11月20日広島県庄原市)
・藻谷さんの「デフレの正体」は「里山資本主義」などで補完すると良いですよ
・【人間が大きく見える里山づくり】シンポジウム-地方創生と地域福祉がつながったお話-
・木材の大きな可能性に取り組む! 岡山県真庭市の銘建工業 -シンポジウムより-
・地域でつながる【周防大島のジャム屋さん】 -シンポジウムより-
また、こちらが藻谷氏の「里山資本主義」です。