認知療法のバイブルとも言われる【いやな気分よさようなら】は、分厚い本で、応用事例が大量にあります!

今回は、認知療法の実践的な本いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法のご紹介をします。

アマゾンの内容紹介欄には「うつ病のバイブル」とも書かれている本です。

一般に、現在の心理臨床では「認知行動療法」を行うことが多いようですが、本書では、より認知に重点が置かれて扱われています。やはり本書は、(「行動」が付かない)「認知療法」の本だと言えるのではないかと思います。

さて、認知療法の考え方とは?

次のとおりです。

・私たちの感情は、すべて私たちの「認知(ものごとの受けとめ方)」あるいは考えにより作られる。

・憂うつなときには、悪い方向ばかりでものごとを考える。

・マイナスの考え方は、ほとんど常に認知の歪みを含んでいる。

というものです。

そして、大まかに言うと、本療法は日常生活をモニタリング(=振り返り、記録)することで自身の認知の歪みに気づき、合理的な考え方を導き、自らを修正していこうというものです。

ここでよく言われるのが。

「頭でわかっていてもできないんだよ」とか「その都度、合理的に考えられれば苦労しないよ」と言ったことではないかと思います。

そうですよね。

私たちは日常、「自動思考」と言って、認知の歪みに基づいた自分独自の受け止め方をしていますので。。。

「わかっちゃいるけど・・」となるのは無理のないことですよね。私にも大いに心当たりがあります。

でも。

本療法は、多くの人の憂うつな気分を改善してきました。

何でかな、と考えてみると・・・

それは、頭で漠然と考えているだけでなく、また日常に流されるだけでなく、自分の思考・感情を実際に書き出してみて評価することを継続的に行っているからではないかと思います。

書き出してみて、そして自身で考えてみることで、その内容が自身の頭の片隅に入り込み・残ることで、日常ついつい惰性的・自動的に思考が働きそうな場面で一歩立ちどまり、いつもと違う感情・気分になれるのではないかと思います。

要するに、セルフ・モニタリングにより、自分と感情の間に「間(ま)」を取ることができるようになる、もしくは自身を少しずつ俯瞰できるようになるのではないでしょうか。

認知療法の基本的な考え方については以上ですが、

本書では、自動思考の具体例、日常で大切な「自己評価を確立する方法」「虚無主義の克服法」「罪悪感の克服法」などの項目について、具体的事例、ツールが豊富に列挙されています。

また、自身の憂うつ度を測る「うつ病調査表(BDI)」も付いており、自身の状況も分かるようになっています。

さて、私が読んだ本書の初版は480ページにもなる大作で、第2版になると更に増補され800ページ(!)くらいになっているため、ここでその全てをご紹介することは到底不可能です。

ここでは、本書を通読してみて、私が思った、認知療法に関する留意点について述べてみます。

それは、二点あります。

一つ目は、本療法では(セラピストと共同作業するとはいえ)、認知の歪みに気づいた後、「合理的な反応とは何か?」を導き出す必要があることを踏まえると、受ける人にある程度の社会経験が必要だろうな、ということです。

まあ、幼児、小学生くらいでも認知を修正するような場面があるとは思いますけど、それは論理性・合理性よりも、道徳的・躾け的な面に訴えかけることの方が多いでしょう。

本療法の特徴である論理性・合理性にはマッチしないように思えます。

二つ目は、本療法では「あなたの認知が歪んでいる」と、ある意味自身を否定するような指摘を受けるので、自身が弱り切っているときはちょっとキツイのではないかという点です。

岡田尊司医師が言われている「安全基地」のような場所でいったん心を休めた後、少し落ち着いてから認知療法に向かうのが良いのではないかと思います。

以上、まだまだ十分に書き切れてはいませんね。やはり認知療法を学ぶには本書のような実例や豊富な実例にあたってみて、自分でも実践してみることだと思います。

本書に書かれているように、重い憂うつの場合は、専門家の治療が必要です。もちろん、本書が参考にはなりますけどね。

とくに、自身が気分を自己コントロールできるくらいの場合に、本書の対処法を実践することで効果が期待できます。

ご興味を持たれた方は、本書いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法を手に取られると良いと思います。

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