プロセス(情報の流れ、変化)に乗り、気づいていく -【プロセス指向心理学】がわかる、更なる良書のご紹介-

 

先日、アーノルド・ミンデルの「自分さがしの瞑想―ひとりで始めるプロセスワーク」のご紹介をさせて頂きました。

が、このアーノルド・ミンデルの考え方、プロセス指向心理学の考え方って、東洋の神秘・瞑想(「伝統的な英知」と言った方が良さそうです)と西洋の心理学との統合的なアプローチであって、扱う範囲はかなり広いなぁ、と感じます。

上述の本は、ミンデルの基本思想についてかなり整理された良書だと思うのですが、今回はさらに、ミンデルの唱えるプロセス指向心理学を知るために参考となる幾冊かをご紹介します。

まずは、その名もずばり「プロセス指向心理学」です。

実は本書、「ドリームボディ・ワーク」に続く、ミンデルの2冊目の本ということで、「自分さがしの瞑想―ひとりで始めるプロセスワーク」より古いです。

この本ではもちろん、プロセス心理学の核となる概念:

一次プロセス(自分の意図していること、自らが同一化しているもの)と二次プロセス(自分とはなじみの無い、遠く隔たったものとして経験されるもの)、チャンネル(プロセスは、このチャンネルを通して気づかれる。視覚、聴覚、身体感覚、運動感覚、対人関係、世界現象など)、エッジ(しばしば私たちを一次プロセスと二次プロセスに分裂させるもの)などについて、しっかりと記述されています。

加えて、プロセス指向心理学に影響を与えた(=取り入れられた)数々の考え方・世界についても書かれており、この点こそ本書の特徴です。

 

では、それら考え方・世界とは何か?

西洋心理学だと、夢の世界、元型、世界チャンネル(共時性)など、主にユング心理学の世界ですね。

伝統的な英知では、神話学、道教とくに易経、錬金術などです。

これら世界について研究を重ねたミンデルは、共通項として「留まらない動的な流れ=プロセス」が根底にあることを見出し、プロセス指向心理学として整理し、提唱しているのです。

 

では、実際のワークはどんな感じなのか?

という疑問もわいてこようかと思いますが・・・

実際のワークに関しては、「うしろ向きに馬に乗る―「プロセスワーク」の理論と実践」に実例がしっかりと記載されています。

具体的には、エサレン研究所での公開セミナーから起こされた逐語記録がしっかりと掲載されています。

ミンデル曰く、プロセスワークとは、無意識に関するユング心理学の概念と、ゲシュタルト療法の実践における技法を発展させたもので、シャーマニズム、パフォーマンスアート、癒し、瞑想、自覚(アウェアネス)を促す手法も含むということです。

その内容は、私の理解した範囲では、セラピストとクライアントとのセッション、もしくはグルーブと言えば良いでしょうか、

動的に、その場で起きた現象、内面的な感覚、発せられた言葉などに注意深く気づき、丁寧にたどっていくことで解放に導いていく、といった感じです。

 

さて、本ブログでも書かせて頂いているように、プロセス指向心理学には、きわめて多くの技法や考え方が含まれています。

また、そのワーク中は、技法・考え方以上に、流れるものを捉えるのですから、観察力、微細な感覚、創造性といったものが大切なのだろうと感じます。

それゆえ、一つ一つのワークが定型化できない(できにくい)「生もの」であり、セラピストには純粋な感性、その都度白紙の状態が要請されているようで、なかなかに難易度の高いワークだなぁ、などとも思いました。

 

最後に、話を戻すと・・・

プロセス指向心理学について関心を持たれた方は、先日のブログと今回のブログでご紹介した3冊辺りを読んでみられるのはいかがでしょうか?

 

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