地方活性化のキーって、「都会の人を呼ぶこと」ではないかと思った話。 -【農的生活がおもしろい】という本を読んで-

 

牧野篤氏の「農的な生活がおもしろい」という本を読んでみました。

この本の著者である牧野氏は、生涯学習論を専門とする大学教授です。

「中高年のための人生リバイバルプログラム」や、豊田市の「若者よ、田舎をめざそうプログラム」などに携わってこられたそうです。

豊田市のプログラムでは、地方の生活=農的生活=百姓の多能工的生活を見直し、取り入れることで、本書のサブタイトルにもある、年収200万円で都市部の1000万円級の豊かな生活を行なえることを実感する、と綴られています。

ここでちょっと留意しなくてはいけないのは、「豊かな生活」の定義です。

都市部のような華やかで心踊らされるような生活を「豊かさ」だと考えると、それは到底、地方では実現できません(時たま、ということならば可能ですけど)。

そうではなく、人と人とが繋がり、内面的に豊かな生活が実現できるということが、「豊かさ」なのです。

地方にこのような豊かさがあるということに、私も同意します!

まあ確かに、私も地方で生活しており、時おり刺激的な生活があるといいな、と思うことはありますが。。。

基本的には、自分の身の周りのことに目を配れる生活、食の自給など自分のことは自分で賄える生活、そして内面に向かえるゆとりのある生活って豊かだなぁ、と実感します。

 

そんな中、本書を読んでみて、改めて著者も取り組まれている「地方の活性化」について、ちょっと考えてみました。

それは。

地方の活性化においては、都市部の人々が「魅力的だと思える環境」を整えることが大切ではないか、ということです。すでに一部地域では始まっていますが、今更ながらそう思いました。

今までの地方活性化対策って、地方の人が都市部に出てしまわないよう、雇用を創出すること、具体的には工場を誘致することがメインだったりしました。

現在、私が地域活動の役員をさせてもらうようになっても、「この地域に大きな工場ができれば、人が残るのにねぇ」とか、ちょっと異なった視点で「遊ぶ場所がないからねぇ」という話をよく聞きました。

実際、多くの町の山の中などに工場が誘致されており、そのことである程度の人が地方に残るようになったのは確かです。ある一定の成果があったとは思います。

けれども。

雇用、遊ぶ場所を「そこそこに」確保することが人を留める決定打になるとも言えないように感じます。

私自身もそうだったので、よ~く分かるのですが、大学生、社会人になろうとする頃って、都会にものすごくあこがれるのです。

例えば、ディズニーランド、各種コンサートなどの大規模エンターテイメントに満ち溢れ、日々多種多様な刺激に満ちている、テレビでみるあの世界に行ってみたいと思う気持ちって、無理もないことだと思います。

今は昔と違い、金銭面、家族のしがらみなどの問題が相対的に小さくなったため、妥協することなく、結構気楽に都会に出やすくなっていますので、広い世界に触れてみたいのは当然のことだと思います。

私の周りを見回してみると、多くの人々が社会や大学に入る時、都市部に行き、そのうちの半分強がそのまま都市部に留まっている感じです。

そのように、多くの人々が田舎から都会に出ていく一方で、これは私が都市部の人と実際に話したり、本などを通して知ったことですが、

確実に昔よりも、地方の田舎暮らしに憧れる都市部の人が増えています。中高年世代だけでなく、若年世代が特に増えています。

ずっと都会の刺激を受け続け、半ば本能的にスローダウンというか、田舎的、農的生活を求めているのでしょうかね。

そのような状況を踏まえると、地方・田舎の私たちは、やみくもに都会化を目指すのではなく、田舎的・農的な生活=スローで多能工的で人が繋がるような環境をしっかりと創っていく・保存していくことこそ、大切なのではないかと思います。

乱暴に言えば、特にある程度の割合の若年者が都会に出ていくことは避けがたいので、都会の人々(割合は低くとも、母数が大きいので、ある程度の数になります)が田舎・農的な暮らしに向かってきてくれるような環境こそが大切なのではないかということです。

今の地方には、コンビニがあったり、インターネット網が整備されていたリするので、都会を完全に捨てる(?)という程の極端な変化を感じなくても移り住める場所が多々あります。

地方には、閉鎖的、保守的、排他的な面が残っており、今もって新参者を受け入れがたいところもあるかとは思いますが・・私の実感として、急速に変化してきています。

※ちなみに、私が住んでいるのは、ちょっと田舎というくらいです。結構都会的な店なども進出してきているがゆえに、開放的になっているという面も、多少あるかもしれません。

 

本書で取り上げられている豊田市など、多くの町でも徐々に開放されていっているはずなので、もっともっと人が地方へも住み、スローで農的な生活を楽しめるようになるといいな、と感じ入りました。

地方には、スローで農的な生活に加え、自然の中での教育、地産地消のエネルギー、安い生活コスト、そして多分、子育てのしやすい環境など、低収入かも知れませんが、魅力的な環境を実現できるのではないか、そしてそれが都会の人にも魅力的に映るに違いないと思った次第です。

 

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