家入一真さんが逃げ回る姿にハラハラする【我が逃走】

 

家入一真さんの「我が逃走」を読んでみました。

この本は、家入さんが、ロリポップサーバーの運営会社ペパボ(paperboy & co.,元マダメ企画)を創業してから、都知事選に立候補するまでの半生を書かれた自伝的な本ですね。

ちょっとその足跡を辿ってみると・・・

家入さんはペパボを福岡で創業後、順調に業績を伸ばし、東京へ進出します(正確には、GMOインターネットグループの一員として東京へ進出)。こちらでも順調に事業拡大後、2008年には上場を果たします。

ところが何と、上場後すぐ、ペパボ社長を退任し、COO:最高クリエイティブ責任者となり、カフェなどを企画・運営するパーティカンパニーを創業します。

その頃、六本木辺りでの夜の社交、海外視察旅行などを覚え、のめり込み始めた家入さんは、次々とカフェ・飲食店を立ち上げたり、ギャラリーを手に入れたり、海の家を運営するなど、規模を拡大するのですが・・・

ほとんど勢いで直感的に立ち上げを決め、その後、具体策を決めるような感じなので、固定費とか人件費、原材料費など全く無頓着で、みるみる赤字が膨らんでいきます。

その赤字額は、ペパボ株式譲渡で得た個人的な数億円(数十億円とも書いてあります。とにかく、凄い金額です)の資金から補填するという・・・

この辺りを読んでいて私は、正直なところ、胸が苦しく、少し吐き気がするような気分でした。

前半を読んでいて、「何やってるの、この人は?」「止まるなら今!」「社長が原価、固定費に無頓着でどうするの?」「企画・立ち上げだけに興味がある人なんだろうなぁ」「でも、行動力はすごい」「よく、芸能人などが巨額のお金を数年で無くしたと言われているけど、こういう見込みが十分でない商売や豪遊をすると、お金が無くなるだろうなぁ」などなど、いろいろな思いが浮かびました。

まあ当たり前ですけど、やがて資金はショートし、大幅リストラとなります。ペパボからも勇退することになり、周りの人々は次々と去っていくのです。

これで意気消沈し、大人しくされるのかな、と思うと・・・

何と、しばらくして、クラウドファンディングの会社「CAMP FIRE(キャンプファイア)」を立ち上げるという・・・

まあ、IT業界の場合、飲食店ほど設備投資がいらないし、ITサービスの企画センスはある方ですし、元々のIT関係の人脈は豊富な方なので・・・こちらは何とかなったのでしょうね。

BASEというWebサービスを成功させたり、リバ邸という駆け込み寺(リアルな居場所の提供)を広めたりされていきます。

そして、あの都知事選立候補に至るのですが、これが何と言うか・・

立候補を決意するにあたりツイッターで「1000リツイート行ったら立候補する」とつぶやいてみたり(30分で達成)、政策をみんなから募集したり、当初「票は誰に入れてもいい、投票に行って欲しい」と主張されたり(後に、「僕に票を入れてください」と言われるようになります)、型破りな選挙活動をされたうえ、全体の5位の8万9千票弱もの票を集められたのです。

 

大まかに書くとこんな感じですが・・・

まあ、間違いなく今後も家入さんは、いろいろなことにチャレンジされるのでしょうね。それも、企画・立ち上げまで行って、しかるべき人に運営を任せるという感じで。。。

正直なところ、こんな感じで規模を拡大したり、成長を志向したり、多動的な世界は私には縁が無いため、共感するということまでは至りませんねぇ。

とは言え、先日ご紹介させて頂いた高城剛さん、堀江貴文さんも、程度や方向性の違いはあれど、同様の傾向をお持ちだとは思われます。そのような傾向性って、私とは異質な世界であるとは言え、現代社会の方向性であり傾向性の一つであることは確かだと思います。

また、もちろん、本の中のお話の中で共感できる部分があります。

このような世界を垣間見せてくれることが、本を読むことの醍醐味ではないかなぁ、などと読ませて頂いた次第です。

 

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