ごきげんだからこそ、うまくいく!という科学。 -ごきげんな人は10年長生きできる-

 

幸せな人は長生きする(Happy people live longer.)

 

2011年2月、科学誌「Science」に掲載された、この印象的なフレーズで本書は始まります。

科学誌に掲載されたということで、この説は科学的である、すなわち原因(幸せだから)→結果(長生きする)が立証されたのだとも、この本「ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門」の冒頭で書かれています。

 

この本の著者:坪田一男氏は、慶応大学医学部・環境情報学部の教授を務められていらっしゃり、眼科学、抗加齢医療がご専門だそうです。医師兼学者の方なのでしょうね。

 

氏は以前より、「ごきげん(=幸せ)だからこそ健康になり長生きでき、人生もうまくいくのではないか」と考えてきたと言われます。

 

これはとても大切な考え方ですね。

ふつうは「長生きできたからごきげんだ」「人生がうまくいったからごきげんだ」というように、「何か良いことがあったから、はじめてごきげんになるのだ」と思いがちですが、

そうではなくに、「ごきげんに生きているからこそ、うまくいっているのだ」という氏の主張こそ、ご自身がこの本で一番伝えたいことだし、大切なことだと思います。

 

また、この本はサブタイトルに「ポジティブ心理学入門」とあるように、氏が関心を持ち続ける、「幸せとは何か」「どうすれば、よりよく生きられるか」といった心のポジティブな側面を扱う学問「ポジティブ心理学」の入門的な位置付けとも言えます。

それゆえ、科学としてのポジティブ心理学の研究結果が豊富に引用されています。総花的なので、一つ一つは割とサラッと書かれており、概要をざっとつかめることが特徴です。

 

さて、そのような本を読んでみて、

私自身が大切だな、と感じたことを書かせて頂きます。私見です。

この本で書かれている「ごきげんだから→うまくいく」というのは、その通りであり、大切なことです。

その一方で、これも本書内に書かれていますが、ネガティブな感情も、危険予知とかリスク管理面などから必要です。

それゆえ、ネガティブを避けるあまり、始終ウキウキ・ワクワクと、明らかにハイになっているというのも、どこかでバランスが崩れた行き過ぎた状態のようにも思えます。

静かに微笑むというか、ある程度冷静に見つめる自分自身をしっかりと保ったうえで、「ごきげんである」ことこそ、バランスが取れた状態なのかな、と思いました。

※もちろんこれは、著者の坪田氏が上記の状態である、ということを申し上げているわけではありません。そもそもお会いしたことがありませんし。ポジティブ心理学に接しての私見ですし、一般論です。

 

要するに、ロー(ネガティブ)の状態からハイ(ポジティブ)の状態に、極端に飛び過ぎるのではなく、ほんの少しだけハイ(というより、ほんの少しだけプラス。静かに微笑むくらいのバランス。)の位置を維持することが自然であり、良いのかなと思った次第である、ということです。

ほぼニュートラルな状態・ほんの少しポジティブにあることが、外部的なネガティブ、ポジティブな出来事に触れた後、速やかに平常運転に戻るうえで肝要ではないか、と感じます。

 

 

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