生活基盤となる「食」を市場化することの危険性を語る ‐三橋貴明さんの「亡国の農協改革」‐

 

本日は三橋貴明さんの本についてご紹介します。

三橋さんといえば、近年すごいペースで本を執筆されていますね。Amazonで見てみると、2015年の1年間で、12冊出ています。どういうペースなのでしょう!

中国、韓国、日本経済をテーマにした本が多い印象です。本屋でも多くの本を見かけます。

私自身、家庭菜園をしていることもあり、日本を取り巻く農の問題は関心がありますし、JA(農協)との付き合いもそこそこありますので、数ある本の中から、ちょっと毛色が違う「亡国の農協改革」をピックアップしました。

 

 

三橋さんご自身がこの本の中で、「農協改革の危険な実態をもっと皆様に知ってもらいたい」とも書かれているため、今回はその主張についてご紹介させて頂きます。

 

この本での主張は次のとおりでしょうか。

現在、地域の農協は、生産資材の供給、農産物の販売、貯蓄、保険、生活物資の供給、医療サービス、営農指導、文化的コミュニティセンターという、「地域のライフライン」としての重要な役割を担っています。

が、2015年の農協改革により、「協同組合」である農協が、利益を追求する「株式会社化=市場原理化」するための道筋がつけられました。

農協が目先の利益を追究する「株式会社化」すると、国の安全保障の重要な一つである「食」の安定供給を脅かすこととなり、さらには「地域の農協の撤退=地域の衰退」にもつながりかねません。

農協を株式会社化するために、多方面から、長いスパンで、極めて戦略的に話が進められているわけですが、その緻密な戦略がどのようなものなのか、協同組合や農協の歴史、TPPなどと絡めながら語られています。

そして、市場化されることで、なぜ、どのように、上記のような「食の安定供給」と「地域の衰退」に繋がっていくのかも、語られています。

 

この本の主張の関係上、三橋氏は農協を全面擁護されていますが、巨大化した組織、事業範囲などについては、改革・改造する必要があると思います。ただ、改革の方向性が、市場化ではなく、組合員の利益を守るため、とならなければならないのだと思います。

 

このように、三橋さんの主張には全面的に賛成ということではありませんが・・ 少なくとも次の点で全面的に同意します。

すなわち。

国の基盤、すなわち「健康で文化的な生活を行うために必須」な「食」を始め、「住」「エネルギー」「医療」「教育」は、国内で供給、もしくは最低限でも国が購入・流通・販売まで主導権を持って管理する必要があります。

基盤となる領域を市場化すると、利益が上がらないと撤退する、供給価格が激しく変動する、災害や国交悪化により供給が停止される、価格至上主義なゆえ品質よりコストダウンが優先される、など安定性・品質面での様々な問題が発生する可能性が高まります。

近年の農協改革・その影響について、情報を知るための良い取り掛かりになる本だと思います。

 

 

 

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