「心理学研究法」を学ぶことで、心理学が科学的で体系的な学問であることを実感します -心理学を体系的に学びましょう!-

 

今回は「心理学研究法」についてご紹介させて頂きます。

以前、心理学とは「行動と心的過程(心の動き)についての科学」であり「実践の科学」であるとご紹介させて頂きました。それに加えて、心理学では多岐で多様な領域を扱います。

この、多岐にわたる「科学」である心理学を「研究(事実を追求)する方法・技法」について探究するのが、「心理学研究法」なのです。

 

今、心理学は科学である、と書かせて頂きましたが、科学って何なのでしょう?

心理学で扱う科学は、大きくいって2つに分けられます。

一つ目ですが、自然科学的視点です。シンプルに言うと、実験、観察法などを用いて因果関係を特定し、物事の一定の法則・事実を見出すことです。信頼性(再現性)、妥当性(適切かどうか)があることを重視します。

そしてもう一つ、フィールドワークなどを用いて、個別的な事例から普遍性を見つけ出す、というアプローチがあります。自然科学的(論理実証主義)な立場からは、科学性が低いと言われることもあるかもしれませんが、事例を分析し、他事例への適用、一般化を目指すという条件において、十分実用的で有用だと思います。

 

では次に、目に見えない、捉えどころのない「人の心」を、科学でどのように扱うのか?

 

このような捉えどころのない「人の心」に対しても、観察・測定するための手段として心理学検査法はじめとする多様な方法が用意されているのです。

例えば、感情を測定する場合、主観的な気持ちを質問法やインタビューにより調査します。

行動面を測定する場合は、何か行動させることで目標達成度、正確性を測定したり、表情、しぐさなどの非言語行動を観察します。

生理的には、心拍、発汗などの末梢神経活動や、脳波などの中枢神経活動を測定します。

 

これらアプローチの特徴は、いずれも対象を「外」から観察することであり、西洋が発達させた科学的アプローチの凄さに驚嘆を覚えます。

直感的には、人の深層意識まで厳密に科学(観察・測定)するのは困難を極めるだろうと感じるのですが、それでも素晴らしい西洋の英知だと思います。

 

まとめると。

心理学研究法を学ぶことによって、心理学とは、実験法などに見られる自然科学的(量的)なアプローチと、フィールドワークなどに見られる質的なアプローチの両面の研究技法を備えた体系的な学問であることを実感できます。

個人的には、ある程度心理学を俯瞰した後で、このような「研究法」について学ぶのが有用であると思います。

 

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