ヘミシンクとつながる概念 -サイコシンセシスという心理学体系-

 

心理学関係者のお二人目に、ケン・ウィルバーを取り上げようかと思ったのですが、

本を読み返してみて、私の理解がちょっと誤っていたように思えましたので、

今回は、同じく心理学関係者として、ロベルト・アサジオリを挙げてみます。

 

ただ、今回は「ヘミシンクの宇宙観との対比」まではいかないかもしれません。

ある心理学体系とヘミシンクに、かなり通じる部分がある、

ということで記事を書いてみます。

 

「サイコシンセシス」をご存知でしょうか。

 

 

ロベルト・アサジオリという人によって創始された心理学の体系であり、

「トランス・パーソナル心理学の元祖」とも言われる心理学体系です。

 

日本では、平松園枝さんの本「サイコシンセシスとは何かくらいしか

新刊本で購入できない状況ですが、この本で十分にサイコシンセシスの

概要について学ぶことは可能だと思います。

また、実践編の本が探せていないのですが、理論面が十分に役立つと

思いますので、紹介します。

 

 

サイコシンセシスには

「脱同一化」という重要な概念があります。

 

これが、ヘミシンクに通じる概念だと思うのです。

 

それは次の概念です。

・脱同一化と同一化

 私は身体を持っている。でも身体が私ではない。

 私は感情を持っている。でも感情が私ではない。

 私は知性を持っている。でも知性が私ではない。

 どれも私が現実に存在し、機能する上で大事である。

 でも私はそのどれともイコールではない。

 それなら私は誰なのか。私はこれらのすべてに気付くことができ、

 どれでもないことを実感する気づきの主体、これらに気付き、

 意志を使うことができる主体Pセルフである。

 Pセルフこそ私である。

 

そうです。

 

まさしくヘミシンクにおけるアファメーション「私は肉体を超える存在です」を

体現する言葉であり、(同一ではありませんが、)「トータルセルフ」を意識させ

る言葉だと思います。

 

まさに、ヘミシンクで意識の世界を探索するために重要な概念

サイコシンセシスの基本概念となっているのではないかと思います。

 

さらに、こんなことも書いてあります。

・私たちは自分が同一化している者に振り回される。

 私たちがそれから脱同一化すれば、それをコントロールできる。

 例えば、怒りを感じたとき、「私は怒りという感情を持っている、

 私の中に怒っている部分がある、怒りの波がやってきた」

 などと心の中で言ってみる。

 怒りをイメージ化して、そのイメージを離れたところから観察してみる。

 怒りを抑圧するのではなく、あるがままに受容する。

 そして、「怒りはイコール私ではない」と心の中で言う。

 

こちらは我々の日常でも応用可能ですね。

 

怒りのみならず、悩んだり、不安に思ったり、さらには容姿などの肉体

そのものでさえ、本当の自分ではない。

自分を客観視することで、自分の本質に気づき、日々の出来事に振り

回されずに生きていく、そのような考え方ですね。

 

脱同一化、という概念は、上座部仏教の「気づきの瞑想=気づきの主体を

知る」にも通じる考え方のように思えます。

日ごろからこの言葉を忘れず確認し続けるだけでも、我々の日常が変わって

くるのではないでしょうか。

 

サイコシンセシスには、種々のワークがあるようですが、それらを受けてみる

場所については、現在、私もよくわかりません。

が、これらの言葉だけでも十分に参考になるのかな、と思い紹介させて頂き

ました。
  

 

 

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